世の中「ベタなこと」がやりづらくなってる問題【成瀬心美の嫌よ嫌よも愛のうち】

みなさんこんにちは、成瀬心美です！

最近よく思うことなんですけど、世の中“ベタ”なことがやりづらくなってきてませんか？

たとえば前回のコラムで書いた「焼肉に岩塩問題」もそうなんですけど、“焼肉のタレ”ってそれだけで十分美味しいのに、なんかそれで食べるのは普通すぎて工夫がないからイケてない的な風潮が確実に漂ってる気がするんですよね。特に、東京のオシャレ高級店周辺で。

あと、前に友だち同士でこんな会話をしてるのを聞いたことがあります。

ある人が「スタバ行ってくるけど何か買ってくる？」と言ったら、ひとりが「じゃあアイスコーヒーで！」とお願いしたんです。すると頼まれた人は、「え、アイスコーヒーでいいの？ スタバだよ？」と一言。

これも、「ベタなことしにくい現象」のひとつだと思うんですよね。スタバだとみんな“ペチーノ”とか“ソイなんちゃら”みたいなちょっと変わった飲み物を飲むから、アイスコーヒーっていうベタすぎる飲み物を頼むのが珍しくなってるのかなと…。

そして、クリスマス関連でもどんどんとベタなことがしにくくなってる気がします。

たとえば、「クリスマスにディズニーランド」。

「クリスマスにディズニー行くなんて、ちょっとベタすぎない？！」なんて会話を耳にしたこと、みなさんもありませんか？

クリスマスケーキ事情も、だいぶ凄いことになってます。

わたしとしては、普通のショートケーキでいいんです。というか、それが食べたいんです。ショートケーキなんて、誕生日かクリスマスじゃないと食べられないですから。

でも、オシャレなケーキ屋さんとかに行くと、「いかにベタじゃないケーキを売るか選手権」みたいになってるんですよ、本当に。去年、ちょっとしたクリスマスパーティーで友だちが買ってきたクリスマスケーキは、衝撃でした。

めっちゃ緑。そして、赤い壁！ 確かにクリスマスカラーではあるし、パティシエさんのアイディアや技術は凄いけど、ベタじゃないにも程があると思いました。さすがに、色味が…。

さて、わたしが心配してるのは、こうやってベタなことが避けられるようになると、未来の子供たちがいろいろな“定番のもの”を知らないまま育ってしまうんじゃないかということです。もしかしたら、未来の子供たちはショートケーキの存在を知らずに大人になるんじゃないかって…。

だからわたしは、ベタなもの、普通なことの良さをしっかりと守っていきたいです。勝手にひとりで燃えてます！　焼肉のタレとショートケーキは、わたしが守る！　そして、クリスマス当日にディズニー行ってみたい！！

みなさん、メリークリスマスです！

●

さて、実は今回の更新で、「しらべぇ」さんで書かせてもらってきたこのコラムは最後となります。

1年以上やってきて、やりながらいつもどんな内容をお届けしようか深く考え、なるべく世の中のどこにも出てないような話題や“あるある”なことを書かせてもらってきたんですけど、いかがでしたでしょうか？　少々マニアックだったりもしましたが！

今まで読んでくださってTwitterとかにも反応を寄せてくれたみなさん、本当にありがとうございました！　毎回反応を見るのが楽しみでした！

これからも、成瀬心美と「しらべぇ」をよろしくお願いします！

（文／成瀬心美）