カッコいい邦画のタイトルNo.1はコレだ!
メリークリスマス! 昨年撮影した自主映画が、国際映画祭で上映されることが決定し、晴れて「映画監督」と名乗る1歩目を踏み出した、俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
調子に乗って「俳優/映画監督」という肩書きの名刺を作ってしまいました。えへ。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、さまざまな「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■タイトルのつけ方
筆者の映画は『恐怖! セミ男』というタイトルです。もちろん出展したい思いはあったものの、まさか国際映画祭で上映されると思いネーミングをしておらず、応募書類の「英語タイトル」部分でずいぶん頭を悩ませました。
「セミ男」は、そのまま直訳で「シケイダマン(Cicada Man)」で良いとして、迷ったのが「恐怖」の部分を英語にすると、
「フィアー(fear)」
「ドレッド(dread)」
「テラ(terror)」
「フライト(fright)」
「ホラー(horror)」
等、微妙にニュアンスの違う多くの言葉が存在しています。 最終的には響きと勢いを優先して、「恐ろしい」を意味する「スケェアリィ(Scary)」に決定。
無事『恐怖! セミ男/Scary! Cicada Man』に決定しました。
今回は監督自らの翻訳でしたが、日本で公開されている洋画は「邦題」といって、海外から映画を買い付けてきた配給会社によってつけられた、原題の直訳とはかけ離れたタイトルがつけられることが多くあります。
最近であれば『アナと雪の女王/フローズン(Frozen)』などが話題になりました。
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■最もカッコいい邦題
配給側は「日本で売れること」を優先してタイトルをつけることが多いので「撮った監督の想いがこもった、原題のパワーがそのまま表現されていない」と、賛否するコアな映画ファンも多いようですが、逆に「この邦題は素晴らしい!」というものも存在します。
筆者が最もかっこいいと思うのは『特攻野郎Aチーム/The A・Team』。
どうですか? 「the」を「特攻野郎」に、すげ替えただけのシンプルな翻訳ですが、なんとこの日本人が翻訳するときに無視してしまいがちな、「the」の限定していく力強いニュアンスと、作品の内容への想像を掻き立てる「特攻野郎」という4文字のマッチング!
勝手に邦画に英語版タイトルをつけてみたり、好きな映画の原題と邦題を見比べることで、より一層その作品を楽しんでみてはいかがでしょうか?
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)