全部公開!「東南アジア最強」のインドネシア陸軍展示会がスゴイ
インドネシアは、陸軍が強い国である。日本と同じく広大な海洋面積を持つ国だが、どういうわけかインドネシアの場合は海軍より陸軍の権限のほうが大きい。
国防予算も陸軍に多く回されているようで、最近ではアメリカやヨーロッパの最新鋭兵器を大量に買い上げてしまうこともしばしば。
しかも同国陸軍は、それらの兵器を機密情報扱いせず惜しみなく一般公開する。「東南アジアで一番強い陸軍」をアピールするため、兵器の展示会などを頻繁に行なうのだ。
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■頻繁に行なわれる戦車展示会
ここ数年でインドネシア陸軍は、機甲戦力を大きく増強させた。とくに海外でも話題になったのは、ドイツから「戦車レオパルド2」を約100両購入した件だ。
これには「インドネシアの国土に合わない」という反対意見があったものの、陸軍がそれを押し切った。本題はそのあとである。
インドネシア軍は、どうやら世論というものに対して非常に気を遣う傾向があるらしい。そのためか、つい先日導入したばかりの戦車を一般市民に公開したのだ。
「我々の軍はこれで世界レベルに達したぞ!」
そのような触れ込みで、入場料無料の展示会が各都市で開催される。陸軍が近所の小学校に招待状を出し、子供たちを会場に呼ぶということも行なわれているのだ。
もちろん、会場内での撮影は自由。誰もがスマホを手に、最新鋭兵器を隅々まで撮影している。
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■戦車展示会のもうひとつの裏の理由とは…?
「将来は陸軍の軍人になりたい!」
そう考えている子供は、この国では非常に多い。インドネシアは隣国のタイ王国とは違い、徴兵制は採用していないが志願者は多く、中でも士官学校の入校者はどこへ行っても尊敬の眼差しを向けられる。
一方で、この国の陸軍は警察と対立していることでも有名だ。たとえば事業家Aと事業家Bが、互いに政府へ推薦している建設プロジェクトがある。それは巨額の費用を投じるものだから、同時には実現できない。
だからAは陸軍の発言力を、Bは警察のそれを借りて相手のプロジェクトを凍結に追い込もうとする。そういうことがよくあるのだ。
インドネシア陸軍が展示会を頻繁に開催する理由は、そうした裏の事情も絡んでいるようだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)