「小指」にまつわる遊女のおそろしい風習とは?
17年越しの約束を果たしに、北海道へ向かう俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
「ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんの~ます ゆびきった」
この有名なわらべうた。ほんとうは、とても恐ろしい歌だという噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?筆者も何度となく歌い、何度となく約束を破ってきました。
■むかし遊女が…
「ゆびきり」というのは、遊女が本命の客や恋人に小指の先を送って「あなただけ」と証明する風習のこと。
「はりせんぼんのます」は、そのままですが「げんまん」、これがいちばん恐ろしい。漢字で書くと「拳万」、「拳固で1万回殴るぞ」という意味。
なので、まず約束をする時点で小指を切り落として、それを破ったらボコボコにしたあと針を大量に飲み込ませるぞ、という歌。
約束を破った際に毎回実行されていたら、筆者の顔面は今頃ボコボコで、内臓は完全にズタズタです。
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■あの伝説について
気になったのが、この「小指」を送るという風習。恋人同士の運命を語る際に、「小指と小指が赤い糸でつながっている」というのも、元はこの風習から来たのではないかと調べてみました。
「運命の赤い糸」伝説自体は、遊郭などができるずっと前から存在し、世界各地で言い伝えられています。
興味をひいたのが、いちばん古く赤い糸について書かれた文献のなかでは「小指ではなく足首をつながれている」ということと、世界でも、小指と小指なのは「日本だけ」という事実です。
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■ある日本人による仕業か
そこで筆者は考えました。「これは、ダジャレなんじゃないか」と。
ダジャレ大好き日本人ですから、誰かが「こゆびと」と「こいびと」の響きが似ている歌でも詠んで、それが流行し、小指が恋人の象徴と言われるようになってから「ゆびきり」なんて風習にまで発展したのでは?
そう思うと、このダジャレを思いついたヤツのせいで筆者は何万発も殴られることになってしまいます。ああ、恐ろしい。軽はずみなダジャレは、控えたほうがいいのかもしれません。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)