シャラポワだけじゃない! ナイキが契約解除したスター選手たち
「これ以上新規契約をしたくない」というナイキ社内の声もあるとか……。
③オスカー・ピストリウス(陸上短距離選手)
レイ・ライスの場合は素手での殴打だが、こちらは銃を使っている。言わずもがな、南アフリカのオスカー・ピストリウスだ。
彼の名はあの事件まで、「奇跡のブレードランナー」として燦然と光り輝いていた。両足義足というハンデを背負いつつも、パラリンピックはおろかオリンピック出場まで果たした前人未到の陸上選手。
ナイキにとって、彼こそが理想のアスリートモデルだった。
だが、ピストリウスが交際女性を射殺した事件から状況は一変する。じつはこれをきっかけに、ナイキを始めとしたスポーツ用品メーカーはプロ選手との新規契約に慎重にならざるを得なくなったという見方もある。
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④ランス・アームストロング(ロードレース選手)
ツール・ド・フランス7連覇を達成した「超人」ことランス・アームストロング。しかもその記録は、全身に転移した癌を克服した上でのものだった。
ナイキはアームストロングと長年に渡り契約を更新し、あらゆる面からのサポートを実施していた。だが2012年、アームストロングのドーピング行為が発覚するとその衝撃は自転車競技の盛んな欧米を呑み込んでしまった。
「我々は10年以上に渡り彼を支えてきたが、裏切られてしまった」
ナイキの声明は、火炎のような怒りに満ちていた。最終的にアームストロングの記録はほとんどすべて取り消され、ナイキも彼との共同事業から撤退した。
以上、過去に起こったナイキの契約解消騒動をまとめてみた。この会社が、差別問題や犯罪に対して非常に敏感な態度を示しているということがお分かりいただけただろうか。
ナイキは計らずも、今現在のスポーツ界の情勢を明確にしているのである。今後もこの企業の動向からは、目が離せない。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)