広島・新井内野手が2000安打を達成!出戻りの苦労を検証
26日、広島の新井貴浩内野手が神宮球場で行われた東京ヤクルトスワローズ戦で通算2000安打を達成。
新人時代、先輩から「下手くそ」、「プロのレベルじゃない」、「駒澤大学のコネで入団した」などと陰口を叩かれたという同選手だが、猛練習で才能を開花。プロ野球史に残る記録を打ちたてた。
新井のように一度自らの意志で退団し、その後古巣に復帰して2000安打を達成するのは極めて珍しく、一般社会ではあまりみないケースに思える。
■一般社会での出戻りは1割
そこで、しらべぇ編集部ではしらべぇ編集部ではアンケートサイト「マインドソナー」で「一度辞めた会社に再度入り直したことがあるか」を調査。
結果、「ある」と答えた人は、わずか1割であることが判明。やはり、一般社会では一度辞めた会社に出戻ることについてネガティブなイメージを持つことが多いようだ。
ちなみに、新井内野手も阪神タイガースを自由契約になり広島カープから契約オファーを受けた際、「自分が戻っていいのか」と思い悩んだそう。
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■他の古巣出戻り選手は?
プロ野球選手の古巣への出戻りは他にもある。おもな選手は以下のとおり。
①谷佳知外野手(オリックス~巨人~オリックス)
オリックスの主力打者として活躍し、2007年にトレードで巨人に移籍。移籍前は故障の影響で成績が落ちていたが、見事復活しチームの主軸として優勝に貢献。
ところが2013年オフに巨人を自由契約となり、オリックスと再契約。通算2000安打まで72本を迫ったが、一軍でプレーすることは少なく、引退を余儀なくされた。
②山崎武司選手(中日~オリックス~楽天~中日)
中日で本塁打王を獲得するなど活躍したが、2002年オフに当時の山田久志監督とのトラブルなどが原因でオリックスに移籍。しかし、こちらでも伊原春樹監督との不仲が噂され、2004年に楽天に入団。
当時の田尾、野村両監督の指導で開眼し39歳にしてホームラン王、打点王を獲得。そして2012年に中日に復帰したが、往年の活躍はできなかった。
③黒田博樹投手(広島~ドジャース~ヤンキース~広島)
広島のエースとして最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得し、メジャーリーグのロサンゼルスドジャースに移籍。速球派から変化球で打たせてとる投球スタイルに変更し、ヤンキースを含め5年連続2桁勝利を達成。
2014年オフに20億円といわれるオファーを蹴り、広島に復帰。1年目でいきなり11勝を挙げ、能力の高さを証明。今年中に日米通算200勝を達成する見込み。
④西本聖投手(巨人~中日~オリックス~巨人)
巨人時代に江川とダブルエースで活躍し、6年連続2桁勝利。移籍した中日でも最多勝獲得。自由契約となり、オリックスを経て1994年に巨人に戻ったが、一軍のマウンドに立つことはなかった。
やはり古巣への出戻りが許される選手は実績のある選手に限定される。そして、能力を維持していなければ、活躍することはできない。そのような意味でも新井内野手の記録達成は、素晴らしいものがある。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)