「重版出来」って読める? これだけじゃない出版難読ワード4選
4月12日にTBS系列でスタートしたドラマ「重版出来!」(じゅうはんしゅったい)。重版出来とは、「重版」すなわち売れ行きが好調な書籍が増刷されて売り出しになったことを意味する業界用語だ。
週刊漫画誌の編集部を舞台とした筋書きで好調な滑り出しを見せているようだが、番組タイトルをなんとなく「じゅうはんでき」あたりだと思っていた視聴者は多いのではないだろうか。
「じゅうはん、できました!」というニュアンスで「じゅうはんでき!」と読みたくなる気持ちは分からないでもない。もはや出版業界でしか使われない言葉といっていいくらいだから、なじみがないと正しく読めないのは致し方ないところだろう。
なお出版業界周辺で使われる言葉には、「出来」のほかにも難読語がいくつかある。
①「読点」
「とうてん」と読み、句読点のうち「、」を指す言葉だ。ちなみに「。」は「句点」である。
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②「平仄」
「ひょうそく」と読む。もともとは中国語関連の言葉だが、現代の日本語では、物事の「つじつま」「筋道」を指して使われることが多い。
出版業界では、「文法上の誤りがある」「読ませづらい」「リズムが悪い」といったもろもろの「非・美文」を指して「平仄が合わない」という使い方をする。
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③「書肆」
「しょし」と読み、「書店」「本屋」のこと。「書房」「書林」も同じ意味合いで出版社名などによく使わているが、圧倒的に難読である。
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④「上梓」
「じょうし」と読み、「出版する」という意味で使われる。梓(あずさ)という文字を用いるのは、木版刷りの印刷にキササゲという梓の木をよく使っていたことに由来するらしい。
この「業界内幕ドラマ」が「しゅったい」したことをきっかけに、どの業界にもありそうな、その業界ならではの難読ワードを改めて調べてみるとおもしろいかもしれない。
ちなみに「しゅったい」とは「出来」の音読み「しゅつらい」が転訛した言葉で、国語辞書にもきちんと載っている。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)