乗り物酔いした人は優先席に座っていい？現役車掌に聞いてみた
電車の優先席は、妊婦や高齢者、乳幼児連れの人や身体障害者などに着席を優先させる席のこと。空いている時はそれ以外の人でも座っていいとされているが、ためらう人も多いだろう。
しかし、体調が悪い時は、座りたいと思うもの。そして、それが「乗り物酔い」だった場合、あなたは席に座れるだろうか？
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■5人に1人は「酔って座りたい…」と思ったことがある
しらべぇ編集部では全国の男女1365名に調査を行なったところ、「乗り物酔いした結果、電車の優先席に座りたいと思ったことがある」と答えたのは全体の17.3％。
とくに若い女性は数値が高く、20代女性で24.6％という多さだった。該当者の女性に話を聞くと…
「私はちょっとした揺れでも酔うタイプ。西武新宿線やJR中央線に乗ると、目的地に着くまでにゲロゲロになってしまいます。あまりにも酔いすぎてゲロリ途中下車の旅になることも。
でも、まだ若いし見た目はなんともなさそうなので、優先座席にはなんか座りにくいんですよね…気分的には高齢者の人にでも代わってほしいところなのですが」
乗り物酔いは個人差があり、三半規管の能力差が原因とされる。まったく酔わない人には理解できない苦しみが、そこにはあるようだ。
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■兵庫県民の酔い率がヤバい？
県民別調査では兵庫県民がもっとも高い数値になった。この件に関し、出身の男性（40代）に話を聞いてみると…
「兵庫は阪神、阪急、JRが並んで走っていて、三社がスピードを競っている感じです。必然的にスピードが早くなり、酔う人も多いのでは？
また、神戸から西や北のほうへ向かう路線は、海沿いや山沿いでカーブが多いところがあるのも要因ではないかと」
もしかすると、彼が語るように地域の鉄道事情も影響を及ぼしているのかもしれない。
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■現役車掌の見解は
「乗り物酔いした人が優先座席に座る行為」に対して、鉄道会社側はどんな意見なのだろうか？ 某鉄道会社に勤務する車掌（20代・男性）に見解を聞いたところ…
「正直、それはどこの会社の社員でも答えにくい問題だと思います。あくまでマナーの問題ですから。弊社の約款を見ても、掲載ありませんしね」
とのことであった。たしかに、乗り物酔いに限らず体調不良の原因は数多あり、なにかを明示してしまうとややこしいことになってしまいそうだ。
なお、JR西日本では優先席について、以下の考えを示している。
「『優先座席』は、お年寄りの方、お身体の不自由な方、妊婦の方、小さなお子様をお連れの方など、お席を必要とされるお客様に、座席をおゆずりいただけるよう設定した座席です。JR西日本では、すべての通勤型車両に優先座席を設定しています」
乗り物に酔った人も「お席を必要とされるお客様」に該当すると考えられるが、どうだろうか？ いずれにせよ、ルールに縛られず、相手の立場に立って座席を譲りあえる社会を目指していきたいものだ。
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（取材・文／しらべぇ編集部・岡本拓 参照：JR西日本サイト）
調査期間：2016年4月22日～2016年4月25日
対象：全国20代～60代の男女1,365名（有効回答数）
