ペットを亡くした人が陥る苦悩…葬儀屋の男性の言葉が響く
家族同然のペットが亡くなったときの悲しみは、計り知れないものがある。これまでともに暮らしてきたペットがいなくなった日には、心にポッカリと穴があいたような日々を過ごすことになるだろう。
そんなとき、飼い主の中には「はたして次に新しい子を飼ってもいいのか…」と葛藤しているも人もいるのではないだろうか?
■ペットの死を受け入れられないのは女性 一方の男性は…
しらべぇ編集部が全国のペットを飼ったことがある男女762名を対象に、「今飼っているペットが亡くなっても、すぐに次を飼える」かどうかの調査をしてみた。すると、男女別で差が見られたのだ。
男性のほうが「新しいペットをすぐに飼える」という人が多かった。これは、ペットがいなくなった寂しさに耐えられないとの気持ちからなのだろうか。
一方の女性では、ペットの死をいつまでも受け入れない人が多いのか、すぐに次のペットを飼いたいという気持ちにはなれない人が9割にもなる。
■ペットロスの辛さ 飼い主は葛藤し続ける
ペットの死を受け入れられず、ペットロスに陥る人は少なくない。とくに「ペット」だと割り切れずに、家族と同じぐらい大事に育ててきた人に見られるようだ。
編集部では、ペットを飼ったことのある30代の女性に取材。死に立ち会ったとき、そしてその後どのようになったのかを聞いてみた。
①落ち込んで何も手につかなくなる
「14年も一緒にいたオスのシーズーが亡くなってしまって。写真を見ては泣いて、思い出しては泣いて。気持ちは落ち込んでばかりで、食欲もなくなりました。仕事もどうでもよくなりました。
『もっとどにかしてあげられたのでは。そうすればもっと長生きできたのでは』と、自分を責め続けました。とにかく、3ヶ月はまともな精神状態ではなかったです」
②犬のいない生活に耐えられなくなる…そして前の子に対する罪悪感も
「少し気持ちも落ち着いてきたとき、『また犬を飼いたいな』という気持ちが湧いてくるんです。長年、犬と一緒に生きてきたので、いない生活に違和感が出てくるんですよね。
でも、『新しい子を飼っていいのかな? あの子に申し訳ないし、そんな気持ちで新しい子を大事にできるのか』という気持ちも常にあって…。新しい子を飼っても、前の子を重ね合わせてしまうと思うんです。
前の子の存在を忘れてしまったわけではないけど、でもまた犬と暮らしたい。この気持の葛藤で、いまだに悩み続けています。みなさんはどう乗り越えてきたのか…知りたいですね」
このような悩みに直面する飼い主は多いのではないだろうか?
■ペット葬儀屋の男性の話
だが、そうした葛藤は考え方次第なのではないだろうか。ペットの葬儀屋に務める50代男性は、次のように語っている。
「私も犬が好きで、前の子が亡くなって今も違う子を飼っています。たしかに、最初は飼うか悩みました。あの子の死があったのに、新しい子なんて。替えがきかない命なのに、僕はまた新しい子を飼っていいのかって。
でも、こう思うとどうでしょう。今目の前にいる子は、僕のところを選んで、何かのめぐり合わせで今ここにいる。それは運命以外の何物でもないと。それは今の子も、前の子も同じ。僕を選んでくれてありがとうと思っています。
そう思うことで、なんか気持ちが楽になったんですよね。犬も飼い主を必要としている。だったら、本当に犬が好きで大切にしてくれる人のところにいたほうが幸せなんですよ」
前に飼っていたペットの死を乗り越えるのには時間がかかるだろう。だがこの男性の言うように、次の子を飼うことに罪悪感を感じる必要はないのではないだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代のペットを飼ったことがある男女762名 (有効回答数)