心理カウンセラーに聞く「水素水」に執着する人の心理
水素水が巷でブームである。専門家の見解では、水素自体の抗酸素効果は期待できるものの、飲料の場合は水に溶けにくいので、少々飲んだ程度ではあまり意味がないとされている。しかし、効果を信じこむ人たちは少なくない。
「エセ科学」と批判されているものに対し、彼らはなぜそこまで執着するのか、しらべぇ取材班は心理カウンセラーに考察と対策を聞いた。
■水素水の効用を信じる人の心理って?
「まず第一に手軽さがあります。次にTVで大々的に宣伝されているのも大きいでしょう。錆びついた10円玉が綺麗になる映像が、専門家による意見をかき消してしまっている印象です。
また、水素水の効果を信じた状態で飲むとプラシーボ効果で、本当に効果が出ることがあります。本当は水素水のもつ力ではないにせよ、使用者にとっての商品への信頼はどんどん高まっていきます。
こんなに手軽で効果があるのは嬉しい、という信じたい心理が、水素水を盲信する心を補強しているのでしょう」
■逆に水素水をうさんくさいと感じる人たちはどんな人?
「健康に対してそこまで興味がない人や、科学的根拠がないものを信じない人はそのように思うでしょうね。逆に、信用してしまう人は健康に対して気を遣いすぎている傾向があるように感じます。
余談ですが、過去にマイナスイオン水という健康飲料がありました。あの時に試してみたものの、さほど効果を得られなかった失敗体験がある人たちは、とくに水素水を疑ってかかるはずです」
■水素水への「執着」を解くためにはどう説得すればいい?
「どれくらい信じてしまっているかにもよりますが、頭ごなしに否定してはいけません。まずは、なにが好きなのか、相手の考えをじっくりと聞いてみましょう。そうすることで、相手は自分の考えを見直すことになります。
話を聴き終えたら『水素水について、専門家の意見はどんなものがあるの?』と伝えてみてください。こちらから否定せず、自らの手で調べることで、自分の勘違いや思い込みに気付きやすくなります。
周りに迷惑がかからない程度でしたら個人の自由だと思います。過剰摂取したり、エスカレートしない限りは見守ってもいいでしょう。結局、水素水に執着してしまっている状態なんです。少しずつ摂取量を減らし、水素水を生活から無理なく切り離していくことが一番よいと思います」
毎日過度に飲料してしまっている人は水素水に依存してしまっている可能性もある。健康のために健康を崩すことはないように、利用する際は適度な距離感を保つように注意しよう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:心理カウンセラー園絵)