尺貫法を今も使っている人は…「メートル嫌い」は日本にも

2016/06/27 05:30


Gary Ombler/Thinkstock
Gary Ombler/Thinkstock

我が国日本独特の度量に「尺貫法」というものがある。

しかし、日本はかなり早い段階でメートル条約に加盟し、第二次世界大戦後は徹底してメートル法を使うよう国民に促した。そのため、今では「1尺がどのくらい」かを知っている人は少ない

そんな中でも、尺貫法を使っている人は存在するのだろうか。


 


 

■尺貫法を使う人々

しらべぇ編集部では「尺貫法を知っている」と答えた全国383名を対象に「日常的に尺貫法を使用しているか?」を調査。

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結果、全体の10.2%が「はい」と答えた。尺貫法はもはや公的に認められていない度量とはいえ、使用し続けている人は確かにいる。


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■身近にある「匁」

たとえば「1匁の重さの物を出せ」と言われてすぐに取り出せる人は、おそらく少ないだろう。だがちょうど1匁の物が我々の身近にある。それは5円硬貨だ。その重さは3.75g、すなわち1匁。

そしてこの匁という単位は、今も真珠の重さを測るために使われている。すでに絶滅しかけていると思われがちな尺貫法の重さの単位だが、じつは意外なところで今も見かけることがあるのだ。


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■尺貫法は「人間的」

また、長さの単位である「尺」もたびたび見かける。

1尺はおよそ30.3cm。じつは人間にとって、このくらいの長さが「物を測る単位」としてはもっとも馴染むのだ。現にヤード・ポンド法における1フィートも約30.4cm。

メートル法が「地球の大きさ」という途方もない基準から生み出されたのに対して、尺貫法は「日本人の暮らし」を基準にしている。だから東京スカイツリーのような巨大建造物を建てるのならともかく、人間の身体のサイズに収まる家具などは尺貫法をもとに作ったほうが手っ取り早い。

そのような理由で、伝統工芸などの分野ではまだまだ尺貫法が使われている。


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■反メートル法市民団体

だがそれでも、日本はメートル法がいち早く定着した国だ。

アメリカとイギリスは元来、日本以上に保守的。従ってメートル法の浸透が今も完全ではない。それどころか、アメリカの場合は、スポーツ選手の身体測定などもヤード・ポンド法で行われているほどだ。

この2国にはメートル法に反対する市民団体もあり、旧来の度量を完全に捨て去ることはほぼ不可能である。

このように、21世紀の現代でも「反メートル法」の動きは活発なのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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方法:インターネットリサーチ「Qzoo

調査期間:2016年5月20日~2016年5月23日
対象:全国20代~60代の尺貫法を知っている男女383名(有効回答数)

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