石田純一はなぜ迷走した? 60代男性が抱える「最後の一花病」
石田純一氏が都知事選出馬を目指して世間を騒がせた。最終的にはお金の問題で断念することになったものの、すでに芸能界で成功をおさめたはずの彼がなぜあんな突拍子もない行動に出たのだろうか? それも、参入が難しい政治という世界で。
しらべぇ取材班は彼がどのような心理状況だったのか、心理カウンセラー園絵氏に聞いた。
■リタイア間近の男性が抱える「最後の一花病」
「一生懸命に仕事を続けてきた人ほど、いざ仕事から卒業したり、第一線を退く際に、『最後にもう一花咲かせたい!』と思うことがあります。これは賞賛されたいという願望によって引き起こされます。心理学では自己承認欲求とよばれるものです。
今のままの自分では終わりたくない、自分はもっと認められるべき人間なのだという気持ちが、この欲求を生み出します。一般人から見ればもう十分な地位を確立しているように見えますが、自己承認欲求が大きい人ほど満ち足りることを知りません。
その結果、ときに人間は『晩節を汚す』ような突拍子もない行動に出てしまうことがあります」
■60代男性が抱える心と体の矛盾
「『最後の一花病』を発症する人は、己の領域が広い人。活発的であり、自分の知らない分野にあくまでも進み続ける向上心を持つ人です。
そうした荒野を突き進むためには体力が必要でしょう。かつて60代といえばそこで人生を終える人も多くいました。ですが今は医療技術の発展もあり、寿命を迎えるまでにもうひと踏ん張りできる体力が自分に残っていると感じるのでしょう。
だからこそ、本当に燃え尽きてしまう前に、最後の頑張りでより大きな達成感を目指したいと、今までよりもひとつ上のステージを目指すのです」
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■心理カウンセラーから見ると政治家向き
「石田純一さんは華やかな芸能界で活躍されている方であり、自尊心が強いタイプだと分析します。なにより不倫という最大の不貞行為をしていながら許されているという事実は、彼に人の心を動かす力があることを感じさせます。
政治家は人間性、すなわちキャラクターを見られる部分が大きく、認知度も高いので、そうした意味では政治の世界に向いている人物でしょう。柔軟性のあるキャラによって男女から支持を得られそうです」
意外にも心理学的見地から見ると石田氏は政治家向きのメンタルの持ち主との評価だった。残念ながら出馬を断念してしまった彼だが、きちんと政治の勉強さえすれば、いい政治家になれる素養はあるのかも。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:心理カウンセラー園絵)