バットで戦う!?幻の「野球をモチーフにした戦隊 」とは…
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。
夏の到来を感じさせるのが甲子園。今年で第98回となる全国高校野球選手権大会への出場権をかけて、日本各地で高校球児たちの熱くドラマチックな戦いが展開されています。
普遍的に愛されるテーマやモチーフを取り入れることが多い戦隊シリーズで、意外なことに野球をモチーフにしたヒーローは戦隊史上では存在しません。
言い変えると「存在するはずだった」ヒーローはいるのです。本記事では、野球モチーフの面影を残すヒーローをご紹介したいと思います。
■幻となった「野球戦隊」
ひとつの特撮ヒーローが生まれるまでは企画から完成までとても長い道のりを辿りますが、その過程で作品の基本コンセプトや名称が変更になることも多いです。
有名な所ではウルトラマンの名称も「ベムラー」から始まり「レッドマン」に変更され、最終的に「ウルトラマン」に変更されています。
スーパー戦隊シリーズも同じく、企画段階ではその戦隊のモチーフがわかりやすい名称を与えられ、何度も改訂されて私たちの前に登場します。
1983年に放送された『科学戦隊ダイナマン』。じつはこの戦隊こそが、野球をモチーフとして誕生したヒーローなのです。
ダイナマンの企画段階での名称は「野球戦隊Vリーガー」というもの。そのものズバリの戦隊名です。
劇中では野球に関する展開はありませんが、野球戦隊の名残は野球のユニフォームを模したスーツのデザイン、打者が被るヘルメットに似た形状のマスク、決めポーズにおいてダイナブルーとダイナブラックのポーズが一本足打法のような立ち方に見られます。
なかなか画期的に思える野球戦隊ですが、最終的には『科学戦隊ダイナマン』に落ち着き、その面影はスーツのデザインなどの部分に残すのみとなっていることから幻の戦隊と言えるのです。
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■ スポーツを取り入れ成功した戦隊
明確にスポーツを取り入れたスーパー戦隊はダイナマンの前作にあたる『大戦隊ゴーグルファイブ』。
アクションに新体操を取り入れ、メンバー個人の武器にリボンやボールなどの手具が用いられています。
新体操のアクロバティックなアクションは、華麗に敵をやっつける格好良さとの親和性が高く、スポーツをモチーフとすることに成功しているといえるでしょう。
この成功が野球戦隊というアイデアを生み出すきっかけになったのかもしれません。
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■野球との共通点
高校生ながらも期待と希望を一心に受けてマウンドに立つ選手たちと特撮ヒーローには共通する部分があります。それは、チームメイトと協力し正々堂々と全力で戦う姿。その姿に私たちは勇気をもらいます。
乾いた金属バットの打撃音とともに、ドラマチックで爽やかな感動を運んでくれる高校球児たちの熱い夏が、今始まろうとしています。
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(文/モノブライト・出口博之)