伊勢神宮の「ポケモンGO」対策 病院も「ポケモン愛護」に
もはや猫も杓子も『ポケモンGO』である。ひとつのゲームがこれだけ世間に衝撃をもたらしたことは、久しくなかった。
だが、ポケモンGOにはマイナスイメージもあるというのは事実。それは「ながらスマホを増加させ、その結果事故が起きる」というもの。また、「ここはゲームをする場所ではない」としてポケモンGOを禁止する施設も出始めた。
たとえば出雲大社は、ホームページ上でポケモンGOのプレイ禁止を発表。宗教施設の場合はもともと「祈りの場」であるから、敷地内でのゲームに関しては軒並み厳格な態度を示している。
だがその中で、伊勢神宮の対応が注目を浴びているのだ。
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■動物愛護の精神で
世界の伝統宗教は、「無益な殺生を禁じる」という点で共通している。
動物の捕獲も例外ではない。そもそも日本の神道や仏教には動物愛護の精神があり、西洋社会ほど労働家畜の利用に熱心ではなかったほどだ。明治時代に日本を訪れたイギリスの旅行家イザベラ・バードは、鶏すらも屠殺できない日本人の性格について特筆している。
このほど、伊勢神宮はそうした発想からこのような声明を出した。
「神宮の中では生き物を捕まえることはできません。ポケモンも捕獲せずに、そっとしておいてください」
頭ごなしに「ポケモンGO禁止」と言うのではなく、あくまでも「殺生をしない」という理由でゲーム自粛を呼びかけたのだ。
この対応には、絶賛の声が相次いでいる。
https://twitter.com/joshi_mendokusa/status/756904793206099968
https://twitter.com/tadataru/status/756479598506807296
これこそが、伝統宗教の模範的態度だという意見も。
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■鳥取砂丘が「ゲーム特区」に
また、ここに来て各施設のポケモンGOに対する処置も少しずつ変化している。
「ダジャレ知事」として有名な鳥取県の平井伸治知事は、鳥取砂丘を「スナホゲーム解放区」にすると発表。ちなみに「スナホゲーム」は決して誤植ではない。
鳥取砂丘はポケモンGOを安全にプレイできる場所と位置付け、ルールの範囲内でゲームをしてもらうよう呼びかけたのだ。
鳥取砂丘といえば、管理事務所にポケモントレーナーが無断侵入するという事件があったばかり。だが、平井知事は規制の道を選ばなかった。
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■入院中のポケモン
また、東京都にある国立成育医療研究センターの対応も注目されている。
ここは医療施設だから、もちろんスマホゲームは一切禁止。だがそれを呼びかけるポスターには、こう書かれている。
「この病院にいるポケモンたちは、体調が悪いので入院中です。ポケモンたちが早く元気になって退院するために、探さないでくださいね」
このポスターには、入院中の子供たちが描いたイラストも添付されている。
このように、「ユーザーへの注意喚起」は工夫次第で大きな説得力を持つ言葉に生まれ変わるのだ。
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