フィギュアが見た政治 次の「槍玉」を探して血祭りにあげる現実

2016/08/09 06:00


小川敏夫

2014年の都知事選の際、家入一真氏が設立した「インターネッ党」の失敗などに代表されるが、これまで「ネットユーザーやオタクは票にならない」と言われていた。

しかし、先の参院選で新党改革から比例区に立候補した山田太郎候補は「表現規制問題」での活躍から多くのオタク層の支持を集め、同党で最多の29万票を獲得。

惜しくも落選したが党首をも上回る支持を集め、オタクが票田になりうる可能性を示した。


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■アニメフィギュアを「レポーター」に

3年ほど前、『魔法少女まどか☆マギカ』に登場するキャラクターのフィギュア(人形)を連れて世界一周し、ネットニュースなどにも取り上げられた、さわKさん。

彼は国会前デモを見に行ってみたのをきっかけに、世界をともに旅した2人のキャラを連れて「政治家に会いに行く活動」を始めた。

馳浩

昨今は、ちょうど参院選や都知事選があったこともあり、レアポケモン狩りのように多くの政治家と記念写真を撮れているが、他にも「ニコニコ超会議」で馳浩・前文科相のような大物との撮影にも成功している。

山田太郎

そこで、しらべぇ取材班は、こうした活動の背景や目的について、本人に話を聞いた。

さわK:世界一周したときも同じですが、キュゥべぇと巴マミというキャラをレポーターとして、いろんな現場に行ってみたいと考えていました。


国会前でよくデモが行われていたとき、参加する気はなかったのですが「自分の目で見たい」という思いから行ってみたのが、きっかけです。


Q.「表現規制」には当初から関心があった?

さわK:いや、山田太郎候補や民進党の小川敏夫議員と会うまでは、正直言ってよく知りませんでした。私は、民進党は支持しませんが、参議院会館で行われた小川さんの意見交換会にも参加することができて、キュゥマミを持って記念写真も撮らせてもらいました。


表現規制についても質問したところ、「表現の自由は守られるべき。当然のことです」との回答をもらいました。


立花NHK


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■「叩きやすいものを叩く」雰囲気を感じる

マック赤坂

フィギュアを連れて、多くの演説会などを訪れた結果、さわKさんはひとりのオタクとして強く感じたことがあると語る。

さわK:与党も野党も話を聞いてみて、「日本社会が行き詰まってる感」は与野党ともに共有されていると感じました。だから彼らは、それぞれの支持者にわかりやすい、どれか特定のものを徹底的に叩く。


都知事選の桜井誠候補(元・在特会会長)であれば在日コリアン、野党であれば安倍政治。小池百合子都知事は、都議会のドンでした。行き詰まって余裕がないため、「槍玉」を探すヒステリックな祭りのようになっています。


我々オタク層からすれば、「次の餌食がオタクになる可能性」はいつでもあると感じます。


又吉イエス

「漫画やアニメに対する表現規制」は、オタク層やアニメファンのみに関係したテーマではないが、現状ではそれ以外の人たちからの反対の声は目立っていない。

知るために、まず現場に近づく。こうしたやり方には、学ぶものが大きい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 写真/さわK

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