「米嫌いの日本人」は存在する?飽食時代を生きる現代人

2016/08/24 05:30


Kenishirotie/iStock/Thinkstock
Kenishirotie/iStock/Thinkstock

日本人の主食は米である。

日本に住んでいるのに「米を食べたことがない」人は、滅多にいないだろう。だがそれとは別に、人には好き嫌いがある。

であれば、米が嫌いな日本人も当然いるはず。「だったら普段何を食べているんだ?」という疑問は、ここではひとまず置いておこう。

現状として「米嫌いの日本人」がどれだけいるのかをしらべぇ編集部では調査した。



■7%弱の人々が「米嫌い」

此度の調査では、全国1376名の男女を対象とし、「日本人だけど米が嫌いか?」を質問。

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全体の6.6%の人が「はい」と答えている。ごく少数ではあるものの、「米嫌いの日本人」はやはり存在するのだ。

現代では、たとえ米が嫌いでも他に様々な穀物が手に入る。「パンがないなら菓子を食べればいい」なんて言葉があるが、飽食の時代においては「米が嫌ならパンを食べればいい」といったことも簡単にできる。

だがもちろん、それは物質的に豊かな現代だからできることだ。


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■米と日本史

我が国日本の歴史は、常に米とともにあった。

江戸時代まで大名の実力は「石高」で見られていたし、歴代の執政者は米の増産に何よりも力を入れた。例外もあるが、日本人にとっての「富」とは常に米の量だったのだ。

だがじつは、日本は米の生産に適しているとは言えない。

日本には四季がある。従って、米を年間通して生産することができない。東南アジアの農村部に行けば田植えと稲刈りを同時に行う光景をよく見かけるが、熱帯原産の稲という植物は本来ならカレンダーに関係なく育てることを想定したもの。

だが、寒さに極めて弱い稲は日本では年1度しか収穫できないのだ。しかも日本国内は地域差が激しい。我が国での米どころといえば、肥後(熊本県)である。江戸時代の米相場の基準は、常に肥後米がベースだった。


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■「東北米」の奇跡

こういう解説をすると「日本の米どころは東北じゃないのか」と思う人もいるだろう。

じつは東北が「米どころ」と呼ばれるようになったのは、戦後から。それ以前の東北米は「鳥の餌」「安くてまずい」という評判だった。先述のように、稲は温暖な地域でよく育つ。夏でも冷涼な風が吹き込むことの多い東北で、品質の高い米は育たないと言われていた。

だがそれを変えたのが「水稲農林1号」という品種。これは世界で初めて耐冷性を持った稲だ。これにより、東北米の品質向上が行われるようになった。

日本の穀物史を紐解くと、こうした奥深いエピソードに満ちているのが分かる。米が好きか嫌いかは人それぞれの感覚だが、我々現代人が餓死の心配なく日々を過ごしているのは「先人の努力」があったからだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一
qzoo調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo

調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代の男女1,376名(有効回答数)

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