中国の「道路またがり型バス」TEBが大がかりな投資詐欺の可能性

2016/08/28 17:30


画像はYoutubeのスクリーンショット
画像はYoutubeのスクリーンショット

中国の慢性的な渋滞を一挙に解決する交通手段として脚光を浴びていた、道路をまたがる形で運行する大型バス「TEB(Transit Elevated Bus)」

以前、しらべぇでも課題・問題点を挙げて報じていた

しかし、このTEB構想、中国メディアの取材により大規模な投資詐欺であることが論じられ、別の視点から注目が集まっている。


画像をもっと見る

■渋滞解決の奇抜なアイディア

TEBは横断歩道橋のように道路をまたぐ形のバス。全長22メートル、横幅7.8メートル、車高4.5メートル。動力は電力となり、道路の両端に設置されたレール上を走行する。

道路をまたぐ形なので車体の下を車高2メートル以下の車両が走行することが可能

道路の混雑状況に関係なく走行できるため、実用化されれば交通渋滞の緩和になると大きな期待が寄せられていた。

画像はYoutubeのスクリーンショット
画像はYoutubeのスクリーンショット

2010年、北京国際ハイテク博ではじめてコンセプトが発表。

2016年7月に1号機をお披露目。8月初頭には試運転が大々的に行われ、本格的な実用に向けた準備が着々と進められているようにみえた。


関連記事:【要注意】ポケモンGO『詐欺広告』が大量発生!騙されないよう気を付けて

■実態は「詐欺」?

だが、中国メディアの取材によると、TEBは退職した高齢者たちを中心に出資を集め、だまし取る大がかりな詐欺だったことが判明した。

画像はYoutubeのスクリーンショット
画像はYoutubeのスクリーンショット

「道路の条件上、TEBは実現不可能」と断言するとともに、「今後もSNSを介した詐欺を狙っている可能性がある」と国内に注意を呼びかけていると報じている。


関連記事:ネット詐欺被害者の特徴が判明!もっとも注意が必要なのは…

■発表当時からあった疑惑の声

また「試運転では直線のみだったがカーブは可能なのか」「2メートル以上の車高がある車はどうするのか」「さまざまな道路状況に対応できるのか」などその構造に疑問を呈する声も多々ある

さらにTEBの発表当時から、投資詐欺なのではないかと疑惑もあった。

本構想の背景に金融サービス提供会社「P2P理財公司」の存在があり、大規模な投資詐欺ではないかと報じるメディアもあったのだ。はじめから実現困難な構想であったことは間違いない。


関連記事:海苔の佃煮なのに『ごはんですよ』という名前は詐欺?弁護士に聞いた

■詐欺報道を受けての反応

今回の報道を受け、ツイッターでもさまざまな意見が飛び交っている。

あまりにも遊び心のある大胆な発想と着眼点には賞賛の声も多いが、やはり詐欺は詐欺。決して許されてよいものではない。

自信に満ちていたTEBの考案者・Song You Zhou氏の声明が待たれる。

・あわせて読みたい中国で立体バス「TEB」の試作車両が公開!300メートルのレールをテスト走行

(取材・文/しらべぇ編集部・サバマサシ

詐欺バス中国取材
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング