中国の「道路またがり型バス」TEBが大がかりな投資詐欺の可能性
中国の慢性的な渋滞を一挙に解決する交通手段として脚光を浴びていた、道路をまたがる形で運行する大型バス「TEB(Transit Elevated Bus)」。
以前、しらべぇでも課題・問題点を挙げて報じていた。
しかし、このTEB構想、中国メディアの取材により大規模な投資詐欺であることが論じられ、別の視点から注目が集まっている。
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■渋滞解決の奇抜なアイディア
TEBは横断歩道橋のように道路をまたぐ形のバス。全長22メートル、横幅7.8メートル、車高4.5メートル。動力は電力となり、道路の両端に設置されたレール上を走行する。
道路をまたぐ形なので車体の下を車高2メートル以下の車両が走行することが可能。
道路の混雑状況に関係なく走行できるため、実用化されれば交通渋滞の緩和になると大きな期待が寄せられていた。
2010年、北京国際ハイテク博ではじめてコンセプトが発表。
2016年7月に1号機をお披露目。8月初頭には試運転が大々的に行われ、本格的な実用に向けた準備が着々と進められているようにみえた。
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■実態は「詐欺」?
だが、中国メディアの取材によると、TEBは退職した高齢者たちを中心に出資を集め、だまし取る大がかりな詐欺だったことが判明した。
「道路の条件上、TEBは実現不可能」と断言するとともに、「今後もSNSを介した詐欺を狙っている可能性がある」と国内に注意を呼びかけていると報じている。
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■発表当時からあった疑惑の声
また「試運転では直線のみだったがカーブは可能なのか」「2メートル以上の車高がある車はどうするのか」「さまざまな道路状況に対応できるのか」などその構造に疑問を呈する声も多々ある。
さらにTEBの発表当時から、投資詐欺なのではないかと疑惑もあった。
本構想の背景に金融サービス提供会社「P2P理財公司」の存在があり、大規模な投資詐欺ではないかと報じるメディアもあったのだ。はじめから実現困難な構想であったことは間違いない。
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■詐欺報道を受けての反応
今回の報道を受け、ツイッターでもさまざまな意見が飛び交っている。
中国のトランジット・エレベーテッド・バス(TEB)ちょっと楽しみにしてたのに詐欺だったらしい トラックとか大型車どうするねん って思ってたが、詐欺だった 悲しいなあ 夢見る人たちから金をだまし取る 許せんね
— 藻藻藻 (@bomboom111) August 22, 2016
ほわっ!?
中国の車をまたぐバス(と言うか路面電車)のやつ、超大型投資詐欺だったの?どう考えても無理だろうとは思ってたけど、さすが中国スケールが違うな。
— カ.メ.イ ( :D)┸┓ワァー (@honex55) August 23, 2016
これ最初見たとき、「バスが車またいで走るとかさすが何でもありの国だな!」ってちょっと感心したんだけど、まさか投資詐欺とは…
— たまきち (@tama_kick_5) August 22, 2016
あまりにも遊び心のある大胆な発想と着眼点には賞賛の声も多いが、やはり詐欺は詐欺。決して許されてよいものではない。
自信に満ちていたTEBの考案者・Song You Zhou氏の声明が待たれる。
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(取材・文/しらべぇ編集部・サバマサシ)