冠水道路、クルマで突破できる? 半水没では車内閉じ込めに

2016/09/13 11:00


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秋の長雨が続いている。台風10号などの大雨で被害を出した北海道では、その傷も癒えぬ上にさらに雨が降り注いでいるようだ。

雨が続くと地面は染み込んだ水を保つ力(保水力)を失い、道路もちょっとした降雨で冠水してしまう。たとえばゲリラ豪雨を報じるニュースなどでは、冠水した道路を通行しようと水しぶきを上げて突入するクルマの映像を見かけることもしばしばだが、果たして安全といえるのだろうか。

JAF(日本自動車連盟)では、降雨時において日常的にあり得るさまざまな状況をシミュレートした結果を公開している。


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■「勢いよくザバー!」はNG

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シミュレーションでは、水深60センチと30センチの冠水がある道路と同様の環境を用意。時速30キロと10キロでクルマを進入させている。水深60センチとは、おおむねタイヤが隠れるくらいまで、30センチとは、タイヤの真ん中あたりまで、それぞれ水が来ている状況だ。

水深60センチの環境では、時速10キロでも車種によってはエンジンルームへ水が入り、冠水を進みきることができなかった。時速10キロとは「ノロノロ運転」で、スーパーなどの駐車場で空きを探している場合などのすぐに止まれる速度が目安になる。

また水深30センチでは、冠水しているところへザバー!っと勢いよく進入して水しぶきを上げると、エンジンルームへ水が入ってしまうようだ。

運転席からでは、冠水した道路の深さはわかりづらい。ノロノロ運転で進入しても立ち往生してしまう可能性があるということになる。


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■ドアが開かない! ガラスは割れない!

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では、冠水した道路で運悪く立ち往生してしまった場合はどうなるだろうか。

シミュレーションでは、立ち往生でクルマが水に浸かっても車内への浸水はなんとか避けられたという結果も見られた。ただしクルマから脱出しようにも水圧でドアを開けられないこともある。水位90センチ程度でドアノブあたりまで水が来てしまうと、脱出はほぼ不可能ということになりそうだ。

またこの時点では、電動スライドドアやパワーウインドーも電気系統が不全に陥り、使えなくなっていると予想できる。

となるとガラスを割って脱出を試みることになるが、JAFのシミュレーションではスマホやビニール傘など普段から身の回りにありそうな道具でガラスを割るのは困難だという結果が出た。フロントガラスはもちろんサイドウインドーのガラスも割ることができない。

ただし、市販の非常用ハンマーは有効だった。あらかじめ、車内に用意しておきたいものだ。何より、冠水した道路へは進入しないことだろう。長雨で冠水が当たり前になると、危機感が薄れてしまうこともある。注意したいところだ。

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(文/しらべぇ編集部・上泉純 出典/JAFユーザーテスト

ゲリラ豪雨自動車台風10号
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