ふるさと納税も戦国時代に突入? 岐阜県関市の返礼品は「日本刀」
任意の地方自治体に納税・寄付し、額に応じて住民税や所得税から還付・控除、さらに地方の特産品などの返礼品を贈呈されるとして人気の「ふるさと納税」。
岐阜県関市は、ふるさと納税の返礼品として「刀匠らが手掛ける日本刀」を贈呈すると発表した。日本刀の贈呈は全国初の試みとなる。
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■なぜ「日本刀」なのか?
関市は鎌倉時代より続く日本最大の日本刀の生産地であり、現在も伝統を受け継いだ関鍛冶の刀匠が活躍する「刃物のまち」として有名。
4月から100万円寄付の返礼品として用意された、長さ約26cmの短刀「御守り刀」に人気が出たため、年末にかけて申請が増えるのを見越し、刃渡り72cm前後の日本刀を採用。
500万円納税者には市重要無形文化財保持者の尾川光敏氏ら熟練の刀匠が、300万円の場合は若手刀匠が作った刀を各限定5本用意。
所有登録証も付属し好みの銘文も彫ってくれる。「伝家の宝刀」と位置づけていると同市は発表した。
発表後、すでに大きな話題となっており、Twitterなどでも「返礼品もここまできたか」と驚きの声や、「お金があれば納税したいけど500万円は難しい」「絶対に需要がある」と反応は上々だ。
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■現在のふるさと納税事情
しらべぇでも以前にふるさと納税において各地方自治体の特色ある返礼品に関して報じた。
A5ランクのブランド牛や、サクランボ「佐藤錦」などのフルーツ類、イクラなどの海鮮類といった食品・特産品が人気だ。2008年の導入から8年、現在は独自色をアピールする自治体が増えている。
福岡県苅田町の「消防士体験」や航空会社スターフライヤーの「フライトシミュレーター体験」、岐阜県池田町の濃尾平野を一望する「パラグライダー体験」など趣向を凝らした体験型の返礼品も多くなっている。
愛知県愛西市ではトレーディングカードを返礼品に選んだ。
愛西市出身の漫画家・伊藤彰氏が原作を務める人気アニメ「カードファイト!! ヴァンガード」シリーズにちなんだ対戦用カードのイラストを担当する。
地方自治体の活性化を目指すふるさと納税制度は、納税者確保の返礼品合戦へと発展しつつある。今後さらに、どの地方自治体に納税すべきか頭を悩ませそうだ。
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