わさび大量寿司問題の『市場ずし』なぜか韓国人に大人気?その理由を調査
外国人観光客に対し大量にわさびを入れたことで問題となった、大阪の寿司店『市場ずし』。
韓国では不買運動が起きるほど炎上しているようだが、なぜか逆に「韓国人旅行者たちで市場ずしが大人気」といったニュースを韓国メディア『munhwanews.com』が報じている。
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■市場ずしをinstagramで検索すると…
報道内容にもあったとおり「市場ずし」を韓国語にしたハッシュタグでinstagramを検索すると、多くの韓国人観光客と思われる人たちが寿司の写真を投稿していた。
また、内容に関しても「ソウルの物価がいかに高いのか分かった」や「美味しかった」など、市場ずしを絶賛する内容も少なからず見受けられたのだ。
■実際に市場ずしへ行ってみると…
韓国では市場ずしへ行く人に対して批判も起きているようだが、それを押してまで行きたい美味しい寿司を市場ずしでは食べられるのだろうか?
その味を確かめるべく、市場ずしへさっそく行ってみることに。難波駅で降り歩くこと数分、市場ずし難波店へ到着した。
ニュースのとおり韓国人で賑わっていると思いきや、店内は日本人だけしかいなかった。韓国人がいたら話を聞けたのに残念…と思いつつ、寿司を注文。
まず注文した定番のまぐろは、寿司種がとても大きく、酢飯を包むように握られている。本格的な江戸前寿司ではないが、そのボリュームと味には大満足だ。
次に注文した牡蠣はむき身のパックを使ったものでなく、ひとつひとつ殻からむいたもの。磯の香りがしっかりとするミルキーな牡蠣は、絶品である。
サーモンやマグロ、イカや白身の切れ端を集めて軍艦巻きにした『はんぱ』は2貫で200円という安さ。大きさ的に握りに使えなくなった端材の寄せ集めだが、安くて美味しい。
大阪では人気寿司種のうなぎは、きちんと温めてありとろける美味さ。そのほかにもハマチやシマアジなどお腹いっぱい食べてお会計は3,000円というコスパの良さは、日本人でも納得であった。
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■本当は安くて美味しいのに…
実際に食べてみた結果としては「普通にしてれば美味しくて安い優良店なのになぜあんなことを…」と思ってしまうほどいい店だと感じた。
ただ、行ってみて「なぜわさび問題が起きたのか」もなんとなく想像できる。
市場ずしは旬のメニューも豊富に取り揃えていてすべての表記が外国語に対応しきれておらず、日本語だけのメニューも多くあるからだ。
サーモンやマグロなどの定番メニューは英語・中国語・韓国語のメニュー表記があったが、牡蠣など季節のメニューは日本語のみ。
また職人の方たちもおそらく外国語ができる人ではないので、外国人とのコミュニケーションに難があったのだと思われる。
また、店舗も小規模なのですべての料理を外国語で説明するのは難しい。どちらかというと外国人観光客向けではなく、日本人向けの店だったのかもしれない。
ただ、いくら美味しい寿司を出す店であっても「外国人なら誰でもワサビ好き」といったイメージだけで勝手にワサビを大量に入れるのは接客業としてNG。
今はまた外国人はわさびを別添えにして市場寿司がやや炎上しかけているが、日本人としてはぜひ市場ずしの美味しい寿司をまず普通の状態で外国人たちにも食べてほしいところ。
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■できるかぎりの範囲で外国語の対応を
しかし、わさびの効き具合は魚の脂の乗り具合で変わるため、苦手な場合は別添えにするといった判断も「客好みで味わってもらいたい」といった観点から見ると間違っていないため悩ましい。
この問題については結局のところ市場ずしが外国語の対応をより強化するしかないのだが、難しいようなら最低でも
・わさびをどれぐらい入れるかまず紙で質問(普通・さび抜き・多めなど)
・同じわさびの量であっても寿司種の種類により効き具合が変わることの注意書きを入れる
この2点を実行してくれれば、外国の方たちも納得してもらえるのではないかと思う。普通にしていればとてもいい店なので、ぜひとも名誉挽回できるよう頑張ってほしいものだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)