渋谷がハロウィンで「ゴミだらけ」と話題 惨状を取材した結果
31日のハロウィンを前に、週末の都心は仮装した若者たちで溢れかえった。
聖地・渋谷では今年から歩行者天国が導入されたようだが、取り沙汰されるのは人の多さだけではない。残される「ゴミの多さ」も大きな注目の的だ。
ネット民の中には、「ゴミ人間がゴミを落としている」などと強い論調で語る人も少なくないようだが、実際のところどうなのか。
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■たしかに汚いのは汚いが……
ということで、しらべぇ取材班は30日(日)の朝6時に渋谷入り。始発はすでに出ているはずだが、まだ街にはコスプレをした人がちらほら見られた。
改札を出て少し歩くと、ゴミのすえた臭いが漂ってくる。これはイヤな予感だ。
しかし、実際にセンター街、文化村通りなどを歩いてみると、すでにゴミ拾いを開始しているグループがいたのか、意外と綺麗。
あちこちに高く積み上げられたゴミ袋の山が、その格闘を物語っている。
これは今年もかなり酷かったのだろうと、取材班がボランティアの男性(20代)に話を聞いたところ、意外な回答が。
「ゴミ問題ですが、去年に比べてかなり改善されていると思います。ボランティアの数も増えていますし、そもそもの量も少ない印象ですね。
企業のCSRも増えているようです。自分は去年、仮装する側で参加していたんですけど、もっと汚かった気がします」
男性の話では、去年に比べると今年はかなりマシになっているそうだ。
ハロウィンが土日に分散する影響もあるのかもしれないが、参加者のモラルも多少は向上しているのだろうか?
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■仮装をしながらゴミ拾いをする人の姿も
また、ゴミ拾いをする人の中には、コスプレ姿の人も散見。
その他にも、小学生からお年寄りまで、ゴミ拾いには年齢も服装もさまざまな人々が参加していた。
しかし、朝早いにも関わらず、意外にも彼らはただ淡々とゴミを拾っていた。いや、むしろゴミ拾いという行為を楽しんでいるかのような印象だ。
そこに街を汚した人への不平不満の感情は、まったく見受けられない。
自らも仮装してハロウィンに参加し、5時頃からゴミ拾いに切り替えたと語る男性は次のように語る。
「なんでゴミを拾ってるのか、自分でもわかんないんですけど、やってみるとたまにはいいかなって。もう2時間経つんで、そろそろ帰りますけどね(笑)」
ネット弁慶な気質のある記者は、Twitterでハロウィン画像を見るたびに現代の若者を嘆くかのようなツイートをしていたのだが、実際に街を綺麗にする人は口より先に手を動かす人らしい。
いや、少し考えればそんなことわかるはずなのだが……自分の格好悪さを反省した瞬間であった。
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■道玄坂のホテル街は……
それでも、道玄坂を上がっていくと、汚れたところが増えていく。まだ掃除の手が届いていないのだろうか。
ゴミ袋は大量に積み上げられ……
吐瀉物をカラスがつつく光景にも、何度も遭遇した。
掃除をする人々も、さすがにこれは触れたくなかったのだろう。すでに乾いて固まっているものも多かった。
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■善意の行動で改善されているが、参加者に残る課題
さらに坂を登っていく。掃除の手がなかなか届かないであろう道玄坂上交番付近では、悲しいくらいにゴミが散乱していた。
カラスが訪れない場所を探し、ハトが降りてきている。
しかし、駅に近づけば近づくほど、街は綺麗になっていった。
下の写真は朝8時頃の様子だが、ゴミひとつなく、普段よりもずっと綺麗なくらいだ。
一通り渋谷の街をうろうろした結果、依然としてハロウィンのゴミ問題は解決していないと言わざるを得ない。
しかし、善意の行動が少しずつ事態を改善しているのもまた事実だろう。
モラルなく街を汚す人もいれば、誰に言われるでもなく自発的に掃除する人もいる。
どちらの姿も人間のリアルなのだろうが、もう少し後者が大きく報道されてもいいのではと感じた朝だった。
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(取材・文/しらべぇ編集部・岡本拓)