食べすぎは危険?意外と知らない「ぎんなん中毒」について医師が解説
秋の味覚の代表である「ぎんなん」。この時期、飲み屋のお通しとしてもたまに出てくるが、食べすぎると危険なことを知っていただろうか?
■ぎんなんが嫌いではない人の割合は?
しらべぇ編集部が調査したところ、全国1,387人のうち53%が「嫌いではない」と答えた。癖のある食べ物なので、やはり好みはわかれるようだ。
嫌いな人は食べないので問題ないが、わりと好きな人や小さい子供は要注意である。
そこで、内科医の記者が「ぎんなん中毒」について解説する。
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■中毒について
「中毒」という単語は、いわゆる「依存症」をあらわす場合のほかに、医療の現場では「からだに害のあるものを摂取しすぎた状態」を指すことが多い。
今回解説する「ぎんなん中毒」も後者の用法である。
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■メカニズムと症状
ぎんなんに含まれる物質「ギンコトキシン」が体内でビタミンB6の作用を阻害することにより中毒が生じる。
ビタミンB6は、脳内の神経伝達に必要なアミノ酸(GABA)の合成に必要。GABAが不足することで、けいれんが引き起こされると考えられている。
ほかに、おう吐、呼吸困難、不整脈などがみられることもあり、死亡例も報告されている。
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■中毒になる量は
日本中毒情報センターによると、小児は7〜150個、成人は40〜300個の摂取で中毒の危険がある。
大人の場合、極端に好きな人以外は40個も食べないと思われるが、個人差があることには注意が必要だ。
一方で子供の7個は、偶然摂取しかねない量である。実際、中毒になるのは小さな子供が多いので、ぎんなん拾いに出かけた後などは気をつけたい。
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■もしだれかが中毒になったら
大量摂取後1〜12時間で症状が出て、90時間以内に回復するとされている。無理矢理おう吐させることは、けいれんを誘発するため推奨されない。窒息につながる危険性も。
症状がなくなるまで経過観察が必要なので、入院設備のある医療機関を受診させていただきたい。
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(文/しらべぇ編集部・青木マダガスカル)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年10月21日~2016年10月24日
対象:全国20代~60代の男女1387名(有効回答数)