セピア色の「セピア」って何の意味?まさに色々な色の語源
思い出はセピア色、未来は薔薇色、ついたあだ名は真っ黒田、俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。僕が演歌でデビューするときは、こんなふうに呼び込んで下さい。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■セピア色のセピアとは
セピア色の「セピア」がイカ墨の意味なのはご存知でしたか? イカ墨を使って描かれた絵画が時とともにあのような色になることから、色あせた写真のような色をセピア色と呼ぶそうです。
色の呼び名、語源はじつにさまざまで、最近であれば「肌色」と呼ばれなくなったのも筆者世代には目新しいトピックスではないでしょうか?
色鉛筆の大手であるペンテル社が「肌色」を「ペールオレンジ」と改訂したのが1999年。追うように他社も色鉛筆やクレヨンで「旧肌色」のことを「うすだいだい」と変更されたとのこと。
社会の国際化により、人種も多様化、肌の色もさまざまであり、単一の色を「肌」の色と呼ぶことは、差別意識を招きかねないことへの配慮が大きな原因だそうです。
「白人」「黒人」もアジア人の色を基準にした呼び方であり、ヨーロッパ系コーカソイド以外の人種に対しての呼び方「有色人種」も「じゃあ、お前らは無色透明なのか!? 透明人間なのか!?」など。
まだ「色」と「人種」の言葉にはたくさん問題があるようですが、ここで気になったのが「複数の色をもつものの名前がついた色」。
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■自然と色
たとえば、空色。水色もそうですね。空も水も時間や季節によって目まぐるしく色を変えていきますが、この呼び方をされるとき、だれもが明るい青色を想像します。
これは、人類がもっとも多く空や水を目にする時間帯に、空や水がこの色をしているからでしょう。
「緑色」はどうでしょうか?「草色」はあまり見かけません。緑色だから草木のことを「緑」と呼ぶのでしょうか? 草木をもともと緑と呼び、その色をしているからあの色を「緑色」と呼ぶのか?
調べてみたところ「みどり」は「みずみずしさ」を表す言葉であり、転じて若草、芽生えたての植物の色、「緑色」となったそうです。
生まれたての幼児を「みどりご」と、呼ぶのもこの意味から。「赤ちゃん」なのに「みどりご」なのも、面白いですね。
まさに「色々」な色の語源。読者のみなさまも気にしてみてはいかがでしょうか?
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)