往年の特撮ヒーローが食道がん闘病 今こそ知りたい『バイオマン』

2016/11/14 21:00

こんにちは、モノブライトのベース、出口です。

11月4日に放送されたテレビ番組「爆報!THE フライデー」に、超電子バイオマンで郷史郎・レッドワンを演じていた俳優の坂元亮介さんが出演されました。

坂元さんは今年8月に自身が食道がんであること、9月に摘出手術を行うことを都内で開催されたイベントにて発表。先日のテレビ出演では術後の様子が初めて放送されました。

私自身、坂元さんと幾度かお食事をご一緒させていただいたことがあり、豪快に笑いエネルギーに満ち溢れ、はるかに年下の私の話もよく聞いてくださる気持ちの良い兄貴分という印象でしたが、テレビで放送された術後経過の様子は言葉にできないほどに壮絶でした。

しかし、坂元さんはひとつも諦めてはいません。自身がヒーローであること、ヒーローは負けちゃいけないという信念のもと、過酷なリハビリを経て現在も病気と戦っています。

坂元さんが出演していた超電子バイオマンはスーパー戦隊シリーズにおいて非常に革新的な作品。現在も多くのファンがいることで知られています。

今回は坂元亮介さん・郷史郎・レッドワンへの応援をこめて、超電子バイオマンの魅力をご紹介したいと思います。



 

■既定路線を打ち破るバイオマンの新しさ

超電子バイオマンは1984年に放送、スーパー戦隊シリーズ第8作目となる作品です。

(画像出典:Amazon)
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これまでのシリーズにはない新しい要素として最初に挙げられるのが「女性がチーム内に複数存在する」という点です。

女性複数人戦隊は今の作品では当たり前のことですが、これまで男性主体だった世界観を大きく拡張し、ドラマ展開の幅を広げることに成功しています。

そしてもう一つは、善悪論に当てはまらない第三勢力の台頭です。

バイオマンが戦う相手は、狂気の天才科学者・ドクターマンがたった一人で作り上げたメカ人間帝国・新帝国ギア。

基本的にこの二者の対立構造なのですが、ストーリー後半に突如現れた「バイオハンター・シルバ」の存在が非常に特殊なのです。

(画像出典:Amazon)
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バイオハンター・シルバは、バイオマンの力の源である「バイオ粒子」の軍事利用を危険視する団体「反バイオ同盟」が作り出したロボット戦士。

よってシルバは、バイオマンと新帝国ギアの戦いには目もくれず、バイオ粒子を有するバイオマンを執拗に狙い襲いかかります。

正義と悪の倫理観を排除し、ただひたすらバイオ粒子を破壊するためだけの戦闘ロボットですが、劇中では負け惜しみを口にしたり、攻撃してきたかと思えば「相手をしている暇はない!」と吐き捨て退場したりとどこか間の抜けた言動が多く、愛すべき名キャラクターとなっています。

複数の女性戦士の登場と第三勢力の台頭によってもたらされた新しさは、一言で言うと「人間ドラマ」の拡大。

子供をターゲットにしながらも大河ドラマ的要素を盛り込み幅広い年齢層のファンを生み出すことに成功した作品なのです。


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■海外を席巻したバイオマン

日本国内でも人気の高いバイオマンですが、なんと海外でも日本と同等、もしくはそれ以上の人気を誇る地域があります。それはフランスです。

バイオマンはフランスで初めて放送された特撮番組であることから、例えば日本でコンピュータゲームの元祖と言えば多くの人が「スーパーマリオ」と答えるように、フランスで特撮ヒーローと言えば「超電子バイオマン(現地ではビーオマン)」と答える人がほとんど。

1999年から毎年フランスで開催されている日本文化の祭典「Japan Expo」では、主催者の熱烈なオファーにより日本からバイオマンレッドワン・の坂元さんや、ピンクファイブを演じられた牧野美千子さんなどの特撮ヒーローがスペシャルゲストとして招かれ、会場から主題歌の大合唱が起こるほど。

今では日本の漫画やアニメは全世界で人気を博していますが、特撮ヒーロー、特にバイオマンへの思い入れはフランスが世界随一。

1984年に日本の子供たちが夢中になったのと同じように「僕たちのヒーロー」として、今も愛され続けているのです。


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■今度は僕たちが助ける番

特撮ヒーローはフィクションの存在ですが、私たちはヒーローに現実を生きるための勇気をたくさんもらっています。

辛いときや行き詰まったとき、先に進むのが怖いとき、心を奮い立たせなければいけないときに、ヒーローはいつだって私たちの背中を「大丈夫だ!頑張れ!」と力強く押してくれます。たくさんの場面で本当に助けてもらいました。

今度は私たちがヒーローを助ける番です。ヒーローがピンチのときは、私たちの応援がなければ立ち上がれません。

バイオマンをはじめ、スーパー戦隊から受け継いだ大いなる力は私たちもその手に持っているはず。一人でも多くの人が祈れば、奇跡は起きるのです。

病気なんかに負けるな、レッドワン! 坂元さん、がんばれ!

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(文/モノブライト・出口博之

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