【真田丸】後藤又兵衛の壮絶な最期を記録した新史料が見つかる
大河ドラマ『真田丸』は、大坂の陣の真っ只中である。
哀川翔演じる後藤又兵衛は、主役である真田幸村に勝るとも劣らない人気を獲得しているようだ。
自分なりの形の忠義を、荒々しく貫き通そうとするその姿はまさに「戦国武将」そのもの。「侍の鏡」とは、ああいう者を言うのかもしれないと思わせるほどだ。
そんな又兵衛の最期に関する史料が、このほど発見された。
■秀頼の脇差で最期を遂げる
又兵衛は大坂夏の陣で幕府側の大軍と真正面から戦い、それを何度も押し返した。だが多勢に無勢の状況は覆せず、最期は討ち死にして果てた。
問題は、その「最期の最期」の状況はどうだったかだ。京都府内で見つかった新史料によれば、満身創痍の又兵衛は豊臣秀頼から授かった脇差「行光」で自身の首を家来に刎ねさせたとある。
だがその家来は、混沌とした状況のため又兵衛の首を持っていくことはできなかった。そこで彼は代わりに又兵衛の旗指物を持ち出し、それを秀頼に差し出したという。
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■軍旗が持つ意味合い
今でもそうだが、旗指物すなわち軍旗は軍人にとって命よりも大切なもの。
旗を地面に倒すことは、決して許されない。ましてや捨てることなど論外である。徳川家康の忠臣本多忠勝は、武田軍と戦った際にその軍旗が放棄されているのを見て嘆き悲しんだ。
そして軍人が死ぬ時とは、軍旗を手放す時。
又兵衛はそれを全うした。新史料が世に出たことにより、彼の名声はさらに光り輝いた。数百年の時を経てもなお、忠臣の息吹は我々現代人の鼓動を刺激させる。
又兵衛の魂は、今なお生きているのだ。
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■想像以上の壮絶さ
「真実は小説より奇なり」と言われる。
ことに今年の大河ドラマは、「放映中の新史料発見」が目立つ。そしてそれらを紐解いていくと、現代人のイメージ以上の壮絶な光景が繰り広げられていた。
戦国時代は、人として大切なことをすべて教えてくれる。後藤又兵衛という武将は、「負けゆく者の美学」を後世の人々に伝えた。
その記憶は、永遠に消え去ることはないだろう。
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