スラングの究極形態は暗号?「隠語」について考えてみた
生放送に呼ばれるたび「どこまで言っていいのだろう?」と、ソワソワしてしまい、まともに喋れなくなる俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■テレビや日常会話でよく耳にする「放送禁止用語」
「放送禁止用語」はあくまでも放送に携わる事業者の中で取り決められた、いわば自主規制の俗称。
もちろん内容が差別や誹謗中傷であった場合は、法で裁かれますが、現在の日本では「放送禁止用語を発言した、またはそれを放送した」こと自体が犯罪として裁かれることはありません。
一般社会への普及以降、言葉の無法地帯化が進み続けていたインターネット界隈ですが、こちらもやはり各サイトコミュニティ、事業者ごとの「自主規制」に成功し正常化しつつあるように思えます。
しかし、それに反比例して「隠語」や「スラング」と呼ばれる、規制をくぐり抜けた言葉が、蔓延するのもまた実態。
「意味」は放送禁止なのに「字面と音」で規制している為、その網をくぐり抜けてしまう「脱法放送禁止用語」は次から次へと生まれていきます。
「××」を「チョメチョメ」と読むことで、あらゆる放送禁止用語を発言可能にした山城新伍氏は「脱法放送禁止用語界」のレジェンドとお呼びしてもいいでしょう。
スラングの究極形態が「暗号」であり、たとえば「♪」を今後「こ」と、読みます。以下、同様に「△」を「ん」、「◎」を「ま」と読みます。と、前置きをして「◎△♪」と書いた場合はどうなるのでしょうか?
「◎△♪!◎△♪!お◎△♪大好き♪」と、書いた場合はどうでしょう?
最後の「♪」は、なんと読みましたか?
モールス信号で「‐・・‐ ・‐・‐・ ‐‐‐‐」と書いた場合はどうですか!?
最終的には書き手や読み手、事業者の正義感、道徳心に委ねられる問題ではあると思うのですが、大勢の人に影響を与える力をもつ「言葉」だからこそ、丁寧に扱っていきたいものです。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)