いろんな人に尾行されている?「集団ストーカー」の被害と実態とは

2016/12/05 08:00


(MrKornFlakes/iStock/Thinkstock)
(MrKornFlakes/iStock/Thinkstock)

「集団ストーカー」という言葉を聞いたことがあるだろうか? ストーカー事件の多くは元交際相手の異性からつきまとわれるものだが、集団ストーカーは、そうとは限らない。



■集団ストーカーって何?

集団ストーカーとは、ひとりに対して複数人がストーキングに及ぶ行為。ネットで検索すれば、集団ストーカー被害者の会や、被害にあっている人のブログも見られる。

しかし、その実態は明らかになっていないどころか、集団ストーカー被害を訴える人々が表舞台に立つとき、必ず大きな事件が起きるのだ。


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■集団ストーカーに関する事件

マツダ本社工場連続殺傷事件(2010年広島市で発生)の加害者は元同社の工場で働く派遣社員。自己都合により退社後、マツダ工場の人間に集団ストーカーされたことを逆恨みに反抗に及んだと供述。

しかし、捜査の結果集団ストーカーの実態は無かったとして、加害者の妄想とされている。


兵庫県洲本市で発生した一家5人が殺害された事件(2015年発生)の加害者は殺人未遂容疑で逮捕。

その後、殺人罪、銃刀法違反で起訴された加害者は、ネット上で近隣住民にストーカーされていると訴え、「人類の敵」「集団ストーカー被害を受けている」と書き込み続けていた。

この事件でも集団ストーカー被害は確認されていない。


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■それでも集団ストーカー被害を訴える依頼者

探偵という仕事は因果なものだ。実際にストーカー被害を受けている人からの依頼もあれば、集団ストーカー被害を訴えるような、「奇妙な依頼者」からの依頼もある。

実際に集団ストーカーの調査をしても結果が出ることはまずない。ただ、探偵もこうした依頼をただの妄想だと一蹴してはいられない。なぜなら、彼らの中には家族や医師から薦められて探偵に依頼する場合があるからだ。


集団ストーカー被害を訴える人の多くは、自分が全く気付かない内に重い精神的疾患に至っている。多くは被害妄想のために日常生活を送ることが困難になり、中には家から一歩も出られなくなった人間もいる。

ただ、本人はそうした症状に気が付いても、被害妄想による強い恐怖心に支配されてしまい、自らが病に伏せているとは感じない。

家族や友人が本人の異変に気付いた場合のみ、彼らは被害妄想から一時的に救われる。


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■家族や医師すら手の施しようがない

ストーカー被害を訴え、探偵社に来る人の中には家族に付き添われてくることもある。

その家族は、本人の症状が一向に回復しないことから、探偵に調査を依頼してストーカーに追われていないとわかれば、本人も一時的には安心できるのではないかと考えているのだ。

また、被害者が回復しないと困った医師から「一度探偵社に調査を依頼して、実際にストーカーがいないことを証明してもらうと良いかもしれない」と提案されたとして依頼した人もいたのだ。

探偵社はかなり綿密な調査を行い、報告書を依頼者に渡す。しかし、完全に依頼者が被害妄想から抜け出せるかは別の話になる。


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■集団ストーカー被害は ある意味存在する

探偵から見た集団ストーカーとは、人間の頭の中に生まれる凶悪な加害者達のことである。

この目には見えないストーカーが一度頭の中に生まれたら、彼らから逃げ切る方法はほぼ存在しない。食事中も、寝ている間も監視し続ける。

そして最後にはまるでウィルスのように、被害者を恐るべき加害者へと変えてしまう、この世で最も恐ろしいストーカー被害なのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・サナダテツヤ

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