メダリストが除去で注目 「ホクロ」でがんを心配する人は約1割
今年の10月、リオ五輪の競泳400m自由形・金メダリストのホートン選手が、胸のホクロについて「診察したほうがいい」とファンからの指摘を受けたのをきっかけに、ホクロを除去する処置をしたことをインスタグラムに投稿した。
■ガン化の恐れもあるホクロ
今回ホートン選手が除去したホクロが悪性だったのかは公式発表されていないが、ホクロの中には、良性のものと悪性のものがあるという。
悪性のホクロはメラノーマ(悪性黒色腫)と呼ばれる皮膚がんの一種。通常のホクロとは異なり、大きさや濃淡に変化が現れやすいそうだ。
実際に、ホートンさんの過去の投稿された写真と比べてみると…
・4年前の投稿
・ホクロを除去する1ヶ月ほど前の投稿
I don’t know what I’m doing but @___ellawalter is ??
uoʇɹoɥ ʞɔɐɯさん(@mackhorton)が投稿した写真 – 2016 9月 1 2:59午前 PDT
インスタの写真からは判断しづらいが、微かにホクロが濃くなっているように見えなくもない。
当の本人ですら気づかなかったという、この微妙な変化を見逃さなかったファンには驚きだ。
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■現役医師による見解は?
しらべぇ編集部では、しらべぇライターで現役の医師でもある青木マダガスカル先生に話を聞いた。
青木先生:ホートン選手の画像を見ると、たしかに以前と比べて拡大傾向にあったようですね。
大きさにもよりますが、メラノーマを疑ったら病変全体を切除生検するのが通常です。そうすることで診断が確定でき、取り切れていれば治療にもなります。
ほかのがんのように転移するので、術前にCTなどによる全身検索を行います。遠隔転移があり手術による根本的治療が難しそうであれば、抗がん剤や放射線治療の出番になりますが、効果は十分ではありません。
ここ数年、新薬が複数登場してきており、治療の進歩が期待されています。
注意が必要なのは、10年以上前からあるホクロだとしてもメラノーマを否定できないことと、爪にできるタイプもあることでしょうか。
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■ホクロに対して約1割が不安…
悪性のホクロは決して他人事ではなく、誰しもなり得る可能性がある。
そこで全国20~60代の男女1,387名に、がんになるのが心配なホクロがあるかどうか聞いてみると…。
1割近くが「心配だ」と回答している。
ちなみに日本皮膚科学会によると、メラノーマには以下の特徴があるようだ。
・しみ・ほくろの形が左右対称性でない
・しみ・ほくろのまわりがギザギザしている
・しみ・ほくろの色が均一でなく、濃淡が混じっている
・しみ・ほくろの直径が6mm以上ある
この特徴に合致する場合は、病院で検査してもらったほうがいいだろう。実際、記者もメラノーマの検査を受けたことがあるのだが、痛みもなく数分ほどでできる検査であった。
結果は良性だったものの、「悪性かもしれない」という漠然とした不安は解消されスッキリできるので、精神的にも病院に行くことをオススメしたい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ふふふふ)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年10月21日~2016年10月24日
対象:全国20代~40代の男女1387名(有効回答数)