SNS普及で動員増加も国民は「デモ行進の効果」に疑問
20日トランプ次期米大統領の就任式が行われる米国の首都ワシントンでは、翌21日10時(日本時間:22日0時)から、女性によるデモ行進「Women’s March on Washington」が予定されている。
Facebookのイベントページでは21万人以上が参加を予定しており、また、歌手のビヨンセがデモを支持するなど、多くのセレブが参加を公言している。
一方、戦後の日本では、右翼や左翼のデモが中心だったが、2012年に官邸前で行われたデモは数万人規模と発表されている。しかし、海外と比較すると日本のデモはかなり穏やかな印象だ。
国民はデモをどう捉えているのだろうか。しらべぇ編集部は全国20~60代の男女1,365名を対象に、デモ行進に関する調査を実施した。
■デモ行進の効果は2割が「ある」
「デモ行進は効果がある」と回答した人は全体の21.8%。
性別・年代別で集計すると、60代の割合の高さが目立つ。およそ50年前に最盛期だった学生運動を身近に感じた世代は、デモ行進に対して他の世代と感じ方が違うのかもしれない。
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■SNSによって動員力が大きくなっているデモ
効果があると回答した人が2割と少ない一方で、世界では、デモによりチュニジアやエジプトなど、政権崩壊が起きている。
2010年頃から実施されたアラブ諸国での政府デモ「アラブの春」が大規模化した背景には、瞬時に抗議活動の情報が伝わるSNSの普及が大きいとされる。
日本でも先週14日、東京・渋谷で安倍政権の政策に反対してデモが行われたが、当日はセンター試験1日目と重なっていたことで、Twitter上でも賛否が議論された。
SNSが普及した現在、以前よりもデモ行進の動員力が大きくなったからこそ、デモを通じて行う抗議の本質や、実施の意義が問われてきているようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・小河 貴洋)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年12月16日~2016年12月19日
対象:全国20代~60代の男女1365名(有効回答数)