「妊娠で解雇」は違法も…まだ残る職場マタハラ根絶へ法改正進む
1月1日に改正育児・介護休業法、男女雇用機会均等法が施行された。
改正された内容のなかには、妊娠・出産に関する不利益取扱い(マタニティハラスメント・通称マタハラ)防止措置の義務が盛り込まれている。
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■マタニティハラスメントの実態例
職場のマタハラとは、具体的にどのような被害があるのだろうか。
厚生労働省が昨年9月に作成したパンフレット『職場でつらい思いしていませんか?』に、事業主から受けるマタハラの例を挙げている。
・「育休・産休は認めない」
・切迫流産で入院したら 「もうこなくていいから退職届を書け」
・妊娠を報告したら 「退職してもらう」
・妊娠を伝えたら 「次の契約更新はしない」
・妊娠したら、正社員なのに 「パートになれ」
これらの扱いは、全て法律で禁止されている。
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■職場ハラスメントの防止措置義務
事業主からのマタハラは禁止されていても、上司や同僚から受けることがある。厚労省パンフレットに事例が紹介されている。
・上司に妊娠を報告したら「ほかの人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた
・妊婦検診のために休暇を取得したいと上司に相談したら「病院は休みの日に行くものだ」と相手にしてもらえなかった
・育児短時間勤務をしていたら同僚から「あなたが早く帰るせいでまわりは迷惑している」と何度も言われ精神的に苦痛を感じた
1月に施行された改正法では、上司や同僚からの職場でのハラスメント行為を防止するため、事業主には周知や啓発を義務付けられている。
また、厚労省では、ハラスメントを受けたときに「やめてください」「私はイヤです」と意思を伝えることや、外部の労働局などに相談するよう、あわせて指導している。
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■男女の格差にイライラすることがある人の割合は?
男女雇用機会均等法とは、職場における男女の差別を禁止し、平等に扱うことを定めた法律である。
しらべぇ編集部では全国20~60代の男女1,362名を対象に「男女の格差を感じてイライラすることがある」か調査を実施した。
「ある」と回答したのは27.9%。男女別では、男性よりも女性の割合が9ポイント大きい。
今回の法改正が、生活によりよい影響を与え、マタハラのない社会が訪れることを祈りたい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・小河 貴洋)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年11月25日~2016年11月28日
対象:全国20代~60代の男女1,362名(有効回答数)