川上未映子「主人アレルギー」が炎上 「他人の夫」を何と呼べばいい?
夫婦間での相手の呼び方は、家庭によってそれぞれ。名前で呼んだり、もしくは「さん」などの敬称をつける場合もある。
一方、他人がいる場ではある程度気を遣っているという人もいるだろう。「主人」「家内」などの言葉を用いている人も多いのではないだろうか。
しかし、その言葉がとある議論を生んでいるようだ。
■「主人」「嫁」は差別用語になるべき?
きっかけは日経DUALでの作家・川上未映子の「主人」という言葉が心底嫌いという記事から。川上は「主人」という言葉を聞くだけでアレルギーになるほどイラッとして気が滅入る思いがすると言う。
川上は以下を理由にしている。
「『主人』というのは従属関係を示す言葉で、自分が相手より劣った存在である、身分の低い存在であるということを表す言葉だ」
また、「家内」という言葉についても川上はこのように取り上げた。
「たとえば自分の妻のことを嬉しそうに「嫁」と言った瞬間、わたしのなかでその男性作家の知性は最低ランク」
最後に川上は、これらの言葉について「差別用語として広く認識されればいい」と締めた。
小説家という言葉のプロだからこそ気になる点かもしれない。ネットではこの記事をきっかけにさまざまな議論が展開された。
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■「主人」に抵抗があるという人の意見
川上に賛同する人たちからは「嫌な思いをした」「時代錯誤もいいところ」といった声があがった。
しかし、「旦那」という言葉も主従関係を表すため、「じゃあなんて言ったらいいの…?」と困っている女性もいるようだ。公の場で「夫」という言葉を用いることに抵抗があるという人も。
私も私の配偶者に対して「主人」と言われるのも「奥さん」「嫁」と言われるのも私はあいつの付属品じゃねーよと腹がたつので配偶者に対しては「旦那」「夫」と表記してはいるけれど、他所のお宅の話をする時、女性側を何と呼んだらいいかわからなくて「奥さん」と呼んでしまう。何と呼んだらいいの。
— 椿@ (@tsubaki_hug) 2017年1月27日
私は配偶者の呼び方を「主人」で統一してる。単純に仕事上その方が受けがいいから。でもこの呼び方に抵抗ある人もいるよね、「対等な関係」じゃないって。それはまあ分かる。「旦那」とかもね、召し使いじゃねーよ的な。
— えーれ@1歳4ヶ月娘 (@spiga_incense) 2017年1月23日
配偶者の呼び方かー。主人、は正直抵抗あるから、外で改まって言う時は夫、内輪の知ってる仲で話す時は旦那。夫も旦那も、家でも使う。おっとー、とか、だんなーーとか。旦那は嫁と言ってると思うけど、あまり抵抗ない。が、義母から嫁と言われたらたぶん青筋立つ。家に入った記憶はございません。
— yura6129 (@yura6129) 2017年1月22日
「主人」「旦那」って言葉は意識して使わないようにしてる。問題は他人の夫を言うとき。名前知らないときは「ご主人」「旦那さん」以外の呼び方がないもんかと、かれこれ10年以上考えてる。
— MORITA SACHIKO (@minminmin911) 2017年1月22日
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■「気にならない」という人の意見
一方で、これらの言葉が気にならないという人も。現代の家庭に主従関係はないため、続柄をあらわすための記号的な呼び方として用いているという人が多いようだ。
わたしも気にならない。というか、対外的に 目上の方や距離のある方へは、敬語として「主人」と呼ぶし、距離のない方へは常態語?として「旦那」と呼ぶ。名字で呼ぶのは 旦那の仕事の相手の方に対して。名前で呼ぶのは相手が夫婦ともに親しい間柄のとき。いちいち上下とか考えてない。
— かよ (@kayo_eu_) 2017年1月25日
夫を謙遜的な意味で主人と呼ぶのが嫌いというツイートを最近よく見かけるのだけど、言葉の形式だから別に気にならない。家ではかかあ天下でも外では主人と呼ぶ。一見尊敬語でありながら謙譲語の精神だと思う。
— まい子 (@myk_superdrrry) 2017年1月24日
他人が、自分のパートナーどう呼ぼうが気にならないけど、相手が「主人」アレルギーの人だと面倒だな! 相手の夫君について話したいときどないせえちゅうの。「えーっとご主人は……(はダメだから)旦那さ(もっとダメだ!)……相方さんは(もっとブチぎれる人がいる)……パートナーさんは……」
— kino ask me another (@kino_co) 2017年1月21日
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■「主人」「奥さん」が好感度の高い呼び方のよう
配偶者の呼び方について世間はどう考えているのだろうか。
しらべぇが「配偶者についてもっとも好感度の高い呼び方」について以前お伝えした記事では、夫は「主人」、妻は「奥さん」が1位となっている。
全体的には「主人」や「家内」という言葉は、ただの記号的な存在であり、主従関係をあらわしていると考えている人が多いということだろうか。
とはいえ、実際に嫌悪している人がいるというのも事実。これらの言葉を何気なくつかっている人は、一度考え直してみる良い機会かもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・シマウマ姉さん)