「頭出しできない…」カセットテープ型ウォークマンの苦労話3つ
ソニーが1980年代に発売し、爆発的な売上を誇ったポータブルオーディオプレイヤー「ウォークマン」。
正式には商標登録された名称なのだが、イメージが強いことからカセットテープ型ポータブルオーディオの総称として呼ばれることも多い。
現在もスマートフォンやiPodなどにその概念が受け継がれているが、懐かしのそれを使い続けている人はもうほとんどいないだろう。
そのため、若者のなかには「歩く人がどうかしたの?」となんのことだかわからない人もいるようだ。
■ウォークマンを知らない人は?
そこでしらべぇ編集部では、全国の20代から60代の男女1,365名にウォークマンについての認知度調査を実施。
結果、「なんのことだかわからない」と答えた人は少なく、全体で8%。世代別でみるとやはり20代に多く、約1割がその存在を知らない。
おじさん世代としては若干安心できる数字といえるかもしれないが、「知らない人が1割いる」というのも事実。少々寂しくなってしまう結果かもしれない。
関連記事:有吉弘行、ドハマリしていた『ドラクエウォーク』に絶望 「もうヤメようかな」
■若者が知らないウォークマンの苦労
カセットテープを用いたウォークマンは、独特の不便さがあった。そのため、苦労も多かったのである。若者が知らない「カセットテープ式ウォークマンの苦労」を集めてみた。
①A面とB面の境目で曲が途切れる
カセットテープには録音時間の長さが決まっており、「A面・B面」(表面・裏面)が存在し、それぞれ裏返しにして続きを聴くことになる。CDの音源をカセットに録音してウォークマンで聴く場合、片面の長さに最後の曲が収まりきらず、曲が途切れてしまう事も多かった。
したがって、録音の際にはあらかじめ、録音したい曲の長さを計算する必要があった。
②カセットに入れる曲を選定する必要性
お気に入りのCDアルバムをカセットに録音しようと思っても、カセットの時間が限られているためすべて入れることができないことがほとんど。
そのため、事前に録音する曲を選定する必要性があり、「本当は聴きたいのに…」と捨てなければいけなくなる羽目に。
また、きっちりと録音するにも曲が終わる箇所を正確に把握しておく必要があり、それを怠ると間に変な音が入ってしまうことになる。
③曲の頭出しが難しい
iPodなどではリストから選曲すればパっと流すことができるが、ウォークマンはそれが難しい。聴きたい曲がAとBどちらに入っているか、どのような順番で録音したかなどを把握しておかないと、なかなかみつからない。
さらに早送りや巻き戻しをしすぎて曲が途中からになってしまうことも多く、イライラすることも。上位機種であれば、頭出し機能が付いているものもあったが、価格的になかなか出が手なかった。
そのため現代のMP3プレーヤーで簡単に頭出しができるようになったことに、おじさんおばさんは歓喜したのである。
苦労も多かったカセットテープ型ウォークマンだが、「頭出しができないから、しっかり曲を聴くことができた」、「長持ちする」などの利点もあった。
また、外に音楽を持ち出すとすれば、それまでカーラジオなど以外だと、ラジカセなどもっと大きなものを持ち歩く必要があっただけに、パーソナルに、気軽に音楽とともに歩ける「ウォークマン」は、非常に画期的なアイテムとして登場。
もっと小さく軽いプレイヤーがあり、携帯電話の「付加機能」でも十分になった今だからこそ、あのちょっと不便な味わいを改めて経験してみたいかも。
・合わせて読みたい→就活テーマ曲ランキング…就活生はいつまで『負けないで』に励まされるのか問題
(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年12月16日~2016年12月19日
対象:全国20代~60代の男女1365名(有効回答数)