直虎ゆかりの里でしか食べられない謎の食品「うなぎアイス」ってなんだ?
『おんな城主直虎』は、静岡県浜松市を舞台にした物語である。
浜松市は本来、愛知県豊田市と並ぶ製造業の町だ。だが同時に、歴史的な観光資源にも恵まれている。浜名湖周辺に点在する史跡には、今も多くの観光客が足を運ぶ。
観光地には必ず特産品がある。浜松といえばうなぎだが、中には我が目を疑ってしまうような商品も存在するのだ。
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■山椒をかけてめしあがれ
井伊直虎ゆかりの寺、龍潭寺の手前。観光バス専用の駐車場に寄り添うように、その土産屋はある。
ここで観光客から密かな人気を集めているという商品が、静岡県掛川市の企業双葉の製造する『うなぎアイス』だ。
うなぎの蒲焼きを食べたことのない日本人はごく少数派だろう。それをすり潰し、アイスの原料と混ぜて作ったものだという。材料表示にも確かに「うなぎ」と書かれている。
そしてうなぎといえば、やはり山椒だ。このアイスも山椒をかけて食べるらしい。
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■うなぎの味がしない?
解説だけでは、うなぎアイスがどのような味かまったく想像がつかない。
一口ほおばったその味は、何とも形容しがたいが「うなぎの味がしない」ことは分かる。「味そのものがない」という意味ではなく、ミルクの濃厚な味わいの中にうなぎの生臭さが一切混ざっていないのだ。
では純粋なミルクの味かといえば、それも違う。ミルクにはない独特のコクがわずかに、だがはっきりとある。こればかりは、実際に食べてみないと分からないだろう。
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■ここでしか食べられない!
うなぎアイスの販売価格は410円。安いラクトアイスに慣れてしまった感覚からは少し高く思えるかもしれない。だが、この値段以上の付加価値があることは保証できる。
何しろ、このアイスは山椒をかけて食べるのだ。このような食品は世界のどこにも存在しない。浜名湖周辺地域限定のものである。
井伊谷といえば、うなぎアイス。今年はこの逸品が全国的なブームを呼ぶかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)