「ワールド碁チャンピオンシップ」開催!囲碁棋士対AIの戦いに注目

(Zerbor/iStock/Thinkstock)
(Zerbor/iStock/Thinkstock)

3月21日から24日まで、日中韓のトップ囲碁棋士3人と日本発の囲碁AI『DeepZenGo』が参加し、総当たりのリーグ戦を行う「ワールド碁チャンピオンシップ」が開催される。

日本代表は史上初の7大タイトル全制覇を成し遂げた最強棋士井山裕太九段。韓国からはトップ棋士のパク・ジョンファン九段、中国からは世界大会優勝経験を持つミ・イクテイ九段が参戦。

その模様はYouTubeなどで配信されており、世界中の囲碁ファンから高い注目を集めている。



 

■囲碁もAIのほうが強い?

囲碁は陣地を争うゲーム。明確な目標がないことからAIの苦手なボードゲームといわれ、ソフトが台頭する将棋と違い、AIが人間に勝つことは難しいとされてきた。

しかし、昨年3月にGoogleが開発した『AlphaGo』が昨年韓国のトップ棋士イ・セドル九段と5番勝負で対局し、4勝1敗で勝ち越す。

さらに昨年末、正体を隠した状態でネット対局サイトに『AlphaGo』が登場。60戦60勝という驚異的な成績を打ち立てたうえ、世界ランキング1位の柯潔(かけつ)九段など、プロにも全勝した。

もはや囲碁の世界でも、将棋と同じように「AIのほうが強い」という認識が広がりつつある。しらべぇ編集部が全国の20代~60代の男女1,363名を対象にした調査でも「囲碁棋士よりAIのほうが強い」と考えている人は4割存在。

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頭脳ゲーム最後の砦といわれた囲碁にも「AI」の波が押し寄せているようだ。


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■人間も一矢を報いる

苦しい立場に追いやられた人間だが、まだまだ完全敗北までは至っていない。昨年行われた「第2回囲碁電王戦」では、趙治勲名誉名人が『DeepZenGo』に2勝1敗で勝ち越し、一矢を報いている。

対局後の会見で趙名誉名人は、「人工知能に負けることは恥ずかしくない。強くなってくれたら、僕らはソフトで勉強して、もっと強くなればいい」と発言。ソフトを使ったうえで、さらに人間がAIの上を行けばいいとの見方を示した。

今回出場する3人のトップ棋士も、おそらくAI対策を講じているはず。ぜひ勝利してもらいたいものだ。


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■26日には『電聖戦FINAL』も開催

「ワールド碁チャンピオンシップ」に加え、3月26日には囲碁AIの世界大会「UFC杯コンピュータ囲碁大会」の優勝ソフト『絶芸(中国)』、準優勝ソフト『DeepZenGo(日本)』と日本の若手実力派棋士・一力遼七段が対局する「電聖戦」も開催予定。

2017年3月末は、人間対囲碁AIが熱い。人間の意地に注目したい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2017年2月24日~2017年2月27日
対象:全国20代~60代の男女1,363名(有効回答数)

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