男性カップルの里親認定 「虐めへの懸念」を一喝するツイートが話題に
日本では、同性カップルを「異性間の結婚に相当する関係」と認める自治体が増えてきているものの、これまで「里親」については「夫婦であることが前提」とし、性的マイノリティーの認定には消極的だった。
そんな中、虐待などにより親元で育てられない子供の「養育里親」について、大阪府が男性カップルを認めたと報じられた。厚生労働省によれば、男性カップルが里親に認定されるのは、全国で初めてのことだという。
「男性カップルの里親認定」という歴史的な出来事に、「子供」に対するいじめなどへの懸念から、賛否両論様々な意見が飛び交っている。
■「いじめ」を懸念する声も
同性カップルに育てられることとなる子供について、ネットでは「いじめ」や「偏見による差別」を懸念する声もあがっている。
・男性カップルが里親とか・・・ 容認派が多いのに驚き。個人的には高確率でいじめの対象になると思う。母子家庭でさえいじめの対象になるのに教育上どう考えてるんだろ?
・これは難しいところだよね、本人たちと両親は喜ぶだろうけど子供がどう受け取るか。とっても愛されるだろうけどやっぱ周りの大人やそれを受けた子供達からなんて言われるか。いじめなんてあるかもしれない。
前例がないことや、まだまだLGBTへの理解が進んでいない日本で、子供が差別的な扱いを受けたり、いじめに遭ってしまうのではないか…と心配する人は多い。
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■反論するツイートに共感の声
しかし、そんな「いじめ」や「差別」を懸念する人達に対する、たぬぷち@4/2世界自閉症デー(@tanu_petit)さんのツイートが、多くの人から共感を得ている。
男性カップルが里親になったニュースで「子供がかわいそう」「周りに何か言われる(いじめられそう)」とかそういうつぶやきを多数見たけど、そうなったら周りが全力で「どこがかわいそうなんだ」「何か言ってくる方こそ、偏見を持っているし視野狭窄である。間違ってる」と正すべきだろう?
— たぬぷち@4/2世界自閉症デー (@tanu_petit) 2017年4月5日
色々なバックグラウンドを抱えた子供たちを、周りが全力で支えて育てていく。
「生みの親より育ての親」という言葉もあるように、このたぬぷちさんのツイートは、「親子の形」よりも「愛情」の方が大切であることを気づかせてくれる。
このツイートは、投稿から1日経たないうちに13,000リツイートを超え、たぬぷちさんの元へは「共感しました」といったコメントも多数寄せられている。
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■LGBT総研の森永所長に聞いた
しらべぇ取材班は、今回の状況についてLGBT総合研究所の森永貴彦所長に話を聞いた。
森永所長:LGBTなど性的マイノリティへの認知が少しずつ進み出し、「個人」の多様性だけではなく、「家族」のカタチの多様性が求められてきています。既に欧米諸国では、同性パートナー間の育児を描いた広告もマスメディアに露出しています。
社会の多様性の享受が進めば、必然的にこうしたケースも増え、自治体、国として再考すべき時が来ていると言えます。大きな責任のある育児に取り組む当事者の勇気を讃え、周囲がサポートすることで、国内の理想的なモデルケースになることを願います。
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