「奨学金地獄」に困窮する若者たち 返済額を意識していない学生も
AbemaTV『原宿アベニュー』で「奨学金地獄」についてとりあげられた。「大学に行かない選択肢もある」という意見も出るが…
大学生の2人に1人が利用していると言われる「奨学金」。学費や生活の足しとして借り入れたはいいものの返済のめどがたたず、滞納状態が続く人もいるという。
日本学生支援機構調べによれば、返済滞納者はおよそ33万人であり、滞納額は880億円にものぼっている。
21日に放送された『原宿アベニュー』(AbemaTV)で、こういった若者の「奨学金地獄」がとりあげられた。
■奨学金を借りざるをえない背景
番組では奨学金を借りているという学生や親たちの実態に迫った。
中には返済額を意識していない学生もおり、子供2人を大学に通わせている女性は「夫の収入だけでなく、自身もパートに出て授業料にあてている。300万の授業料には足りず、奨学金を借りてもらっている」と現状を語る。
これらの「奨学金地獄」について、スタジオのサンプラザ中野くん(56)は、「大学に行かなくてもいいという選択肢もあるんじゃないかな」と指摘。
しかし、タレントの大川藍(23)は、就職難を例にあげ「大学を出ておかないと良い会社に入れないから絶対に行かないといけない」という父親の言葉をひいて反論した。
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■ネット民からはさまざまな意見
番組では奨学金620万円、月々の返済が4万円ほどで月の食費が3,000円という、返済に苦しめられている人の例についても紹介。
議論を呼ぶ奨学金問題だが、ネット民からはこのような意見が。
・奨学金といえど借金だからね。権利と勘違いして返済を考えず借りると後が大変になる
・その大学は借金してまで行く価値のある大学なのか疑問。それで生活が苦しむなら元も子もない
・とはいえ学歴がないと厳しい世の中なのはたしかだから、ある程度はしかたがない。だからこそ勉強を頑張ってほしい
・奨学金の滞納は問題だし、自己責任といえばそれまで。だからこそ若者が安心して大学へ行ける社会にすべき
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■借金を抱える20代は2割
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,365名に「借金があるか」について調査したところ、全体の2割弱が「ある」と回答。
もっとも多い世代は40代、ついで20代と続いた。40代の場合、奨学金に加え、住宅ローンやその他さまざまな借金を抱えている世代なのかもしれない。
今年からは国による給付型奨学金が開始されるなど、日本の奨学金の状況はすこし和らぐかもしれない。しかし、それでもなお生活に困窮する若者は多いままだ。
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(文/しらべぇ編集部・シマウマ姉さん)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年12月16日~2016年12月19日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)