「点」を打つ場所ひとつでここまで意味が変わってしまう文字の世界
クイーンが“オイーン”に!? 点ひとつ足りないだけで全く異なる意味になる言葉
次に主演する舞台の題材が「ピーターパン」なのですが、台本を読みながら、ずっと「これ、ワニがウニだったらどうなるんだろう?」と考え、夢中になってしまう俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
「ウニに飲み込まれる」って、ワニに飲まれるより怖い気がしませんか?
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
「ワニ」と「ウニ」、同じ水棲生物ですが、かたや巨大な顎の暴れん坊、かたや全身をトゲで覆い、静かに海の底でたたずむ謎の生き物。点ひとつでここまで意味が変わってしまいます。
今回は、「大」が、「太」や「犬」に、変わってしまうように「点ひとつでここまで意味が変わってしまう文字の世界」について、考えていきたいと思います。
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■「水」と「氷」
水という物質のひとつの状態、冷却されて個体に変化すると「氷」。非常にわかりやすいですね。
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■「王」と「玉」
「王」と「玉」は、全然関係のない漢字で、「王」は「大」という漢字が変化し、国の統治者を表す「王」になりました。「玉」は、元々「みっつのたまをひもでひとつにした形」から成り立ち「王」と書いていました。
けれども、先述の「王」と形が同じになってしまうので、点をつけて「玉」になったとのこと。
他にも「王」の、上に点を打てば「小さな統治者」である「主」、「玉」の点の位置を1段上げると(きゅう)という、きずのある玉を表す漢字になります。
漢字の世界で「、」には「違うよ」という意味があるようですね。
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■「O」と「Q」
点を打って最も意味が変わるのが、アルファベットの「O」と「Q」。
アルファベットは、意味を表す文字「表意文字」ではなく音のみを表す「表音文字」なので、点ひとつで大きく意味が変わってしまうのです。
「Q」を見て思い出すのが、女王を表す「Queen」。
「Queen」から点を取った「Queen」自体に意味や単語は存在しませんが、パンクロックの歌詞などに「私の心から大事なものがひとつなくなってまるで、Oueen of heartね」なんて意味で使われます。
また、「クイーンエリザベス」にあやかった「オイーンエリザベス」なんて競走馬がいたりするそうです。
「オイーン」て! 志村けんさんしか思い出しませんが、間抜けな響きも合わせて、非常に「女王のなりそこない感」が出ていますね。
点ひとつでこんなに変わる文字の世界、文字を書く習慣が減った現代ですが、手書きの際は是非、気をつけて。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)