2日ゴールデン放送の地上波巨人戦中継に物議…「役割を終えた」との声も
すでにCSなどで放送されているため野球ファンですら地上波の野球中継は「役割を終えた」と主張
2日の、日本テレビはゴールデンタイム(19時から20時54分)にプロ野球中継『読売ジャイアンツ対横浜DeNAベイスターズ』戦を放送。『火曜サプライズ』や『踊るさんま御殿』は休止となり、久しぶりに巨人の試合が地上波のゴールデンで流れることに。
野球ファンから喜びの声もあるが、レギュラー番組のファンには、不満を訴える人もいたようだ。
■かつては全試合地上波放送も現在は…
巨人戦中継は長らくテレビのキラーコンテンツとされ、かつてはほぼすべての試合が地上波で生中継されていた。長嶋茂雄・王貞治・原辰徳・松井秀喜などスターが躍動し、高視聴率を誇っていたのだが、2001年に長嶋が監督を勇退した頃から注目度が下降。
さらに成績低迷やCS中継の普及、北海道日本ハムや東北楽天など地域に根づいたチームの登場で、かつての巨人ファンが地元球団に流れたこともあり、中継は徐々に削減されることになる。
現在ではゴールデンタイムでの放送は月に2試合程度にとどまっており、「地上波で中継されていることが珍しい」状態に。
さらに視聴率も低く、これまで主催試合を放送してきた日本テレビも、地上波中継からの撤退を考えているといわれるほどだ。
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■野球ファンの意識は?
現在巨人戦主催試合中継は日本テレビが運営するCS放送『ジータス』で、試合開始から終了まで放送しており、もはや「地上波」がなくともファンは困っていない。しかし一方では、やはり「寂しい」という声もあるよう。
一体ファンはどのように感じているのか。しらべぇ編集部では全国の野球ファン416名に「巨人戦の地上波中継が放送されていないことについてどう思うか」調査することに。
結果、「寂しい」と回答したのは全体で42.1%。かつて20%を超える視聴率があたりまえといわれた巨人戦中継だが、現在は「放送がなくても問題ない」と考えている人が多いようだ。
さらに年代別で見ると、長嶋茂雄をリアルタイムで視聴した「野球中継黄金期」の60代よりも20代のほうが寂しさを感じている。
「若者の野球離れ」といわれるが、実は黄金期を知る世代のほうが、地上波中継に見切りをつけているよう。CSの普及で地上波は必要なくなってしまったためだろうか? それとも、野球への興味を失ってしまったのか?
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■野球ファンに聞いてみた
プロ野球ファンのNさん(40代・男性)に地上波巨人戦中継について聞いてみた。
「地上波中継については、関西・北海道・九州・広島など、フランチャイズが色濃い地域では、そのチームの試合が地方局で頻繁に中継されています。しかし、関東はキー局ということもあり、巨人戦をローカルで流すことは難しい状況。
ただ、巨人も最近はネット中継に乗り出していますし、熱心なファンはCS放送を観ていますよ。もう地上波は諦めて、球場に来てくれるファンを大事にしてみてはどうかと。実際、巨人もユニフォームプレゼントなど、ファンサービスにも力を入れ始めています。
横浜DeNAなどはニコ生無料中継などを積極的に行って人気が出たわけですから、巨人も地上波中継に頼らなくとも、ファンを増やすことができると思います。もう地上波野球中継の役割は、終わったということでしょう」
地上波の巨人戦中継は「役割を終えた」という風潮は、もはや仕方ないことなのだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年2月24日~2017年2月27日
対象:全国20代~60代の野球ファン416名(有効回答数)