ココが正念場? 天王山? 「勝負所を表す言葉」をうまく使い分けたい
「天下分け目の『関ヶ原』」「生死の『瀬戸際』」似ているようで意味の違う、人生の分岐点に関する言葉たち
引退宣言を撤回し、復帰から3年。何本もの小劇場作品に関わり、満を持して殺人鬼役で主演として舞台に立つことになった俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
ここが正念場なのか、天王山なのか、関ヶ原なのか、瀬戸際なのかわかりませんが、確実に何らかの分岐点に立っていると思うので、精一杯頑張ろうと思っています。
■頑張ると言えば…
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
さて、正念場、天王山、関ヶ原、瀬戸際、どれも人生における「勝負所」を表す言葉です。それぞれどんな違いがあるのでしょう? 4つを使い分けることができたらカッコイイと思いませんか?
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■「勝負所」表す言葉 それぞれの語源
正念場とは、仏教用語である雑念を取り払った状態を表す「正念」から転じ「正しい心が必要な場面」、さらにそこから歌舞伎や浄瑠璃で「主役がその役柄の真髄を見せる重要な場面」のことを呼ぶようになった言葉。
天王山は、豊臣秀吉がそこを先に占領することに成功し、織田信長の仇である明智光秀を討った土地の名前から。天下統一を決めた分岐点になっている為、勝負を決める大事な局面を表す言葉。
関ヶ原は、豊臣秀吉の死後、日本全国の大名が徳川派、豊臣派に分かれて戦った決戦の地であり、天下を二分する大きな争いを表す言葉。
瀬戸際は、元々は両側の陸地が接近し、海が狭くなっているところ「狭門(せと)」に、境界を表す「際(きわ)」を合わせて、「瀬戸際」。
海の中でも、渡るのが非常に困難な場所を表すので勝負事や、物事の成否、さらに「生死の境目」を表す際に利用される言葉。
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■うまく区別して使うなら?
正念場は自分自身との戦い、天王山は今後を大きく左右するような戦い、関ヶ原は大勢を巻き込んだ戦い、瀬戸際は戦いに限らず命をかけた場面。このように区別して使うとカッコいいのではないでしょうか?
筆者が今置かれているのは…仏教の伝承で阿修羅と帝釈天が戦ったことから、血みどろの激しい戦いが行われている場所を表す、修羅場、かもしれません。
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(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)