初歩的ミスすぎ! 奈良市の委託職員が「BCC」と「To」を間違えて送信
全員のメールアドレスが見える状態で507名にメールを送信し、大顰蹙をかう事案が発生。ビジネスメールで気をつけるポイントも解説。
ビジネスの現場では、面識がない複数の相手に連絡事項をメールで一斉送信する場合、受取人のアドレスが表示されない「BCC」に設定することが常識。
その理由は、個人情報であるメアドを第三者の目に触れさせないためだ。「To」や「CC」に入れてしまうと、受取人すべてのアドレスが表示されることになり、悪用の元となる。
社会人ならば誰もが知っているはずだが、そのチェックを怠り、大顰蹙をかう事態が奈良県で発生した。
■507名分のメールアドレスを「To」に入れ拡散
事案が発生したのは、奈良県奈良市の健康増進課が運営する「1日8,000歩以上で健康づくり」という事業。活動量計に記録した歩数に応じて「奈良市ポイント」が付与されるシステムで、これを貯めると、様々な特典に交換できるという。
問題は、市の委託を受けた職員が作成した参加者約507人に向けたメール。送信時に「BCC」ではなく「To」にアドレス入れたため、507人全員のメアドが受け取った人々の目に触れることになってしまった。
事業に参加している市の職員が発見し、ただちに参加者に対し謝罪と削除を求めるメールが送られたが、後の祭り。あまりに初歩的すぎるミスである上、悪用される可能性もあるだけに、ネット民から呆れや怒りの声が噴出している。
・「507名分手作業で送信していたのが驚き。配信ソフト使うでしょ、普通」
・「個人情報保護に対する意識が低すぎるのでは」
・「メールを作成したあと、見直しをしなかったの?」
・「送信者は、スマホ世代だったのかも。たしかにややこしいけれど、普通は間違えない」
「一括メールはBCC送信」は常識的なこと。一般企業の場合、顧客や取引先に今回のようなメールを送れば、大きく信用を損ない、最悪左遷されることもあるかもしれない。
しかし、「BCC」に入れるべきものを「To」や「CC」に入れてしまうことは稀にあるのも事実。メールを送る際には、細心の注意が必要だ。
なお、現在のところ当該メールで直接的な被害は出ていない模様。
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■ビジネスメール送信時に気をつけたいこと3選
「BCC」と「To」の間違い以外にも、気をつけなければならないポイントが数多いビジネスメール。企業の対応窓口で「メールサポート」をしているAさんに、送信時の注意ポイントを聞いてみた。
①内容をコピーをしたときは細心の注意を
「BCCを使用せずに、同じ内容のメールを複数名に向けて、個別に送ることもあるかと思います。そのとき文章を丸々コピーすると、メール内の名前が違う…ということが起こる危険があります。
お客様の場合、名前を間違えるというのはご法度で、信用を大きく損ないます。コピーするなとは言いませんが、名前は何度も確認してください。
また、協力会社への仕事依頼で名前を間違えるのも、かなり失礼。その後の仕事に影響がでることもあったりしますよ」
②件名を必ず確認する
「お客様にメールを返信する場合、件名が『Re:○○』となりますが、やり取りが続くと同じような件名が続き、見落としのもとになります。
必ず変えろとまでは言えないのですが、重要なメールを送る際には、件名を変えて興味を引くようにするのが賢明です」
③人名のチェック
「誤変換のチェックは基本ですが、とくに人名は注意が必要です。『斎藤』と『齋藤』、『渡邉』と『渡邊』など、旧字体にこだわる人もいらっしゃいますので」
文字で思いを伝えるメールだからこそ、細心の注意が必要となる。評価を落とさないよう、気をつけて欲しい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)