上品スープの虜に…画廊を名乗るラーメン店のレベルが高すぎる件

多くのラーメン店がひしめく中、本当にスゴイと思える店は数少ない

2017/06/19 06:30

(新大橋通から路地に入り、探さなければ辿り着けない)

下町の風情が愛される東京・人形町。安産祈願で有名な水天宮からほど近い路地に、知る人ぞ知るラーメン店がある――『麺画廊 英 ~Noodle Art Gallery HANABUSA~』(以下、英)だ。

ラーメンマニアがここへ通うのには、いくつかの理由がある。まずは月替わりで登場するシェフ・手塚良太氏のアイデアあふれるメニュー。

贅沢で上品なスープ。定番メニューであっても進化し続ける味わい故に、同じメニューを食べ続けるため、通い詰める常連もいるほど。

そして、シェフ・手塚良太氏のキャラクター…そんな英の魅力をレポートすべく、6月某日、しらべぇ取材班は同店を訪れた。


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■豆乳と和出汁が絶妙な冷彩麺

まずは、6月限定「鼓〜つづみ〜 豆乳冷彩麺」(870円)。

豆乳出汁に使われているのは、九州産フクユタカ100%の豆乳・花かつお・あさり・昆布・干し貝柱。低温でじっくり揚げた干し貝柱に加え、干し貝柱の香味油が絶妙。

トッピングされているのは、イタリア産ホエー豚のバラ肉を茹でてから氷で締め、白胡椒と共に醤油に漬けたもので、ほどよい塩味と風味が効いている。

豆乳特有のクセや臭みがなく、それでいて大豆のまろやかな甘みが…かつおやあさり、昆布の和出汁と調和した味わいは繊細で、れんげが止まらなくなる。

冷たく、しっかり締めた細い手揉み縮れ麺はスープとよく絡み、さっぱりしているのにコクがあって、バランスが素晴らしい。

麺とスープの美味しさに、スープまで飲み干したくなるのだが、ここ英では〆ごはんのために、スープを残すのが重要だ。

普通、ラーメン店でライスをつける女性は稀だが、ここはスープ茶漬けまで食べるのがデフォルトで、女性客も多くが〆まで食べる。

麺の注文を受けてから氷水で洗い、器に盛りつけて冷蔵庫で冷やしておくごはん。この「わさび茶漬け」(130円)は冷たいスープに合わせて、粉わさびが添えられている。

スープの下に沈んでいた揚げた干し貝柱と共に味わうごはんは、米の甘みでスープの味わいが変化し、これもまた幸せな美味しさ。スープを飲み干すのをがまんしたことが、ここで報われる。



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■4種類の鶏と部位が織りなす看板メニュー

続いて、看板メニューでもある「雫〜しずく〜 鶏出汁拉麺」(820円)。

透明なスープで、こちらも繊細で上品な味わいから、塩ラーメンと感じる人も多いというが、タレは塩ではなく白醤油。

トッピングには豚と鶏・二種類のチャーシューと、シナチクの代わりにソテーされたレンコンというのが個性的だ。

山水地鶏の丸鶏、はちきん地鶏、美桜鶏・つくば茜鶏のガラを炊いた澄んだ鶏出汁は、キラキラと輝いている。一般的な鶏出汁は、コクを出すために豚肉が使われるが、今現在、「雫」で使われているのは調整用の昆布のほかは鶏のみ。

それぞれの鶏の特徴と、部位によって出る旨味の違いを引き出し、正真正銘・鶏だけでこの味を出すのは並ではない。

丁寧に炊き出された滋味と脂の美味さが感じられるスープは、こちらも〆のために残すのに、かなりの意志が強いられる逸品。

美味しいスープと細い手揉み縮れ麺――これが美味しくないわけがない。麺の食感と鶏出汁のハーモニーに口の中が満たされる、幸せな瞬間だ。

そして〆のごはんが、こちらは二種類「季節の柑橘茶漬け」か「本わさび茶漬け」(どちらも130円)から選べる。

取材時の柑橘は、国産レモン。防腐剤などは使われていないので、絞ってからそのままインしても大丈夫。

柑橘の爽やかさと鶏出汁の奥深さとのコンビネーションは、出会ったことのない味で新鮮。食べた瞬間、美味しさと驚きが楽しめる。

そしてもちろん、本わさびと鶏出汁の相性は疑いようもない。刻み海苔と本わさびの風味がスープにアクセントを加え、最後まで飽きさせない。

ちなみに英では、この「雫」以外にも定番麺があり、お気に入りを見つけるのも楽しいだろう。

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■別名が「チャラーメン」!?
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