『下北沢ダイハード』 超ド級の深夜コメディが描く「シモキタの光と影」
攻めた内容で話題のドラマ『下北沢ダイハード』。大爆笑できる一方で、制作者には「下北沢の光と影を描こう」という想いも。
■シモキタを賞賛するだけでなく、悲哀も描く
――作品を見ていくと、たしかにシモキタを舞台にしつつも、どこか一歩引いて見ているような、そんな印象を受けます。
濱谷氏「そうですね。このドラマでは、すべてにおいて『下北沢バンザイ!』と描いているわけではないんです。むしろ、街の持つ哀愁や、そこに集う人たちがどこか中年化している感じも描いています。
『27クラブ』をご存知でしょうか? カート・コバーンやジャニス・ジョプリンなど、27歳で亡くなったミュージシャンたちを指す言葉です。
しかし、このドラマで登場するバンドマンたちは『39クラブ』。もともと20代で音楽を始めたのに、気づけば27クラブを一回りも過ぎていて、今でも下北沢の小さなライブハウスでやっとワンマンできるようになるレベルなんです。
そういう、『当初思い描いていたところを、実際の年齢が追い越してしまった』人たちの悲哀や希望を描ければいいなと考えていました」
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■今じゃなきゃ撮れないシモキタを
――この街にはたくさんいそう……ただ、そんなシモキタも再開発の影響で少しずつ姿を変えています。
濱谷氏「そうですね。僕自身、大学生時代に音楽が好きだったり、演劇を少しかじっていたこともあって、この街の雰囲気が好きなんです。
でも、その一方で小田急線の下北沢駅の地下化や再開発の影響もあり、シモキタのもともとの風景が消え始めてる。今はちょうどその過渡期なんだと思います。そこに撮影のタイミングをもってこられたことは非常に幸運なことですし、今じゃなきゃ撮れないシモキタになるんじゃないかなと」
清濁併せのんだシモキタという街を意欲的に描いた本ドラマ。お腹を抱えて笑うだけでなく、その哀愁をも味わおう。
《作品情報》
ドラマ24『下北沢ダイハード』(テレビ東京系)
毎週金曜深夜0時12分(テレビ大阪は翌週月曜深夜0時12分)
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(文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤 参照:『下北沢ダイハード』公式サイト)