6年連続で売上ナンバーワン 伝説の舞妓が語る「一流の心得」とは
祇園ナンバーワン芸妓が語る「昇る人」の特徴とは?
■品格のあるもてなしの術
――司会:一流の「遊び心」や「気遣い」とは?
岩崎さん:経営者の方々のなかには、唄や踊りをお座敷で披露するのを楽しみにしていらっしゃる方が大勢お出でになりましたし、モノマネが得意な方もいらっしゃいました。
そうすると、お座敷が一気に盛り上がるんです。競争社会のなかで、「遊び心」がむしろ、ストレス発散の場となっていたのかもしれませんね。
また、多くのお座敷で、経営者の方々が自分の弟子にあたる人や会社の後輩を連れていらっしゃいました。
緊張している若い方々に対して、「今日は学割にしといてや」といった言い回しで明るく笑って気風の良さを見せ、私たちにご紹介されます。
本田技研工業の創業者・本田宗一郎さんも、会社の方と大勢でお見えになっても、「いつもごくろうさま」と部下へのねぎらいの言葉を忘れずにかけてらっしゃいました。
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■一流の金銭感覚
――司会:昇る人は、岩崎さんからみてどんな「金銭感覚」の持ち主が多かった?
岩崎さん:有名な企業の創業者の方であろうと、普段は質素な生活を心がけている方が多かったですね。
それでも、ここぞという時に社会貢献活動として音楽堂や美術館を建てたり、支払いの席で出し惜しみをしない。
出すべきお金を出し惜しむことで、信用を失くすことを避けていらっしゃるのでしょう。その心意気こそが、大事なのだと思います。
また、祇園の世界も、小さい時からいくつもの唄や舞のお稽古をしますが、人から物も習うには「月謝」が必要です。
人にお金をお支払する時やいただく時、手を出す出し方ひとつにしても、いちばん美しい「間」や「手の角度」があります。
舞妓や芸妓の世界でも、そうした「美しい手の出し方」を研究した女性が、すぐ人気が出ました。「人を紹介する時の手」、「物をいただく時の手」、「お辞儀する時の手」…。
そうしたものは、伝統芸能を習うことでも習得ができます。