6年連続で売上ナンバーワン 伝説の舞妓が語る「一流の心得」とは
祇園ナンバーワン芸妓が語る「昇る人」の特徴とは?
■昇る人が「変わる瞬間」
――司会:昇る人が「一流になる瞬間」は、どのように変わるのですか?
岩崎さん:「変わる瞬間」 は、目の色でわかりました。 キラッと輝くんです。
「目からうろこ」とはよく言ったもので、急に視野が開けるのか、それまでとは全く違った感じになられます。
とはいえ、お客様がどんなに社会的に偉い立場になられたとしても、お座敷に足を一歩入られたら、こちらの対応は変わりません。
当時アメリカのフォード大統領やキッシンジャー国務長官がお見えになったこともありましたが、 国賓の方々がお越しになった時にミーハーな気持ちが出てしまうのは、恥ずかしいことです。
その方が英語で喋られたとしても、こちらとしては「ようこそ」「ほな、おおきに」と言っていました。お座敷に入られたら、どのような立場の方でも、平等ですから 。
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■「早咲き・遅咲き 」という言葉
2001年、自伝『芸妓峰子の花いくさ』(講談社)が出版されると、世界25カ国で翻訳され大ベストセラーとなり、2007年には、井上真央主演でドラマ化し大きな反響を呼んだ岩崎さん。
司会からは、こんな質問が。
――司会:岩崎さんが思う「早咲き・遅咲き」の意味とは?
岩崎さん:人によって花が開く時期は、当然、差があると思います。 10代で花が開く人は少ないですよね。
ところが私自身のように、もうすぐ70歳を迎えるというタイミングで、さまざまな講演に呼んでいただいたり、本を出版して、突然花が開くこともある。
時間的に恵まれていなくても、経済的に恵まれていなくても、必ずその人自身のここぞというタイミングで、花が開く時がやってくる。
生まれたときはみな、同じスタートラインのはずですし、早咲き・遅咲きなんてものは本来ないのです。
人には、必ず一つや二つは、得意なことがあるはず。今は見えてこなくても続けていくことで、必ず見えてくるものがあります。
昇っていかれたお客様のなかにも、それまではお座敷に入った途端「この方は、ちょっと疲れたはんにゃろか?」と感じる方もおいでになりました。
そうすると案の定、お仕事がうまくいってない。でも、そうしているうちに山坂を越えていらっしゃる。
コツコツと乗り越えていくことで、遅咲きであっても、花が開いていく。
そんなお客様を間近で見てきていますから…人間は、調子が悪い時にこそ力が蓄えられるのだとも思います。