『ポッキー<THE MILK>』デビュー!みんなで分け合うからできること
『ポッキー<大人のミルク>』が9月5日『ポッキー<THE MILK>』に生まれ変わって新登場。Share happiness!の現場は…
提供:江崎グリコ「ポッキー」
■設備だけではできない
一言でプレッツェルにウェーブを入れると言っても、簡単ではない。波目ができるということは、厚い部分と薄い部分ができて折れやすくなる――だから、「ポキポキに折れまくった状態」になってしまったのだ。
商品企画が実現したい形を実際に工場で作るため、さまざまな工夫を多くの部署とやり取りしたのは、マーケティング本部 商品開発研究所チョコレートグループの鋤本浩司さん。
「ウェーブを入れると、通常のプレッツェルでは強度が弱く、折れることがわかっていたので、強度のある『大人のミルク』の配合・混合条件を参考に開発を進め、初期の段階でメドが立ちました。しかし、最も困難だったのが、ウェーブを入れる方法。
ウェーブを入れても折れないようにキープするには、ウェーブをどの時点で入れるのか? また、どうやって入れるのか? といった、工程や設備に関する部分をクリアすることが、最も苦労した点でした」
■迷ったら、難しい方を選択する
現在、販売されている商品だけでも『ポッキー<極細>』は、軸のプレッツェルを極細にするのが、シンプルに見えて大きな苦労があり、さらに『つぶつぶいちごポッキー<ハートフル>』はプレッツェルの形が、ハート――これもとんでもなく大変な挑戦だったという。
ピンクのつぶつぶいちごクリームの「ポッキー」の軸がハートの形をしていたら、それはもちろん、かわいくて、魅力的だ。しかし、作ることを考えると「なんで、ハートにしちゃったの!?」という疑問を禁じ得ない。
この疑問に対し、主に原価管理を担当する製造部製造企画グループ チョコスナック担当の上木守さんは、こう言って笑う。
「手間暇かけると工数もコストも、ものすごーくかかるんだけど、それを作ってしまうのがグリコのおもしろいところ。しかも、ポッキーチームは迷ったら、まず難しい方を選択するんです。これまでもどうにかしてきたから、今度もどうにか…って。
今回の『クリスピー・ウェーブ製法』も、原価だけ考えたらアホみたいに(笑)かかるし、目の前のウェーブをどうやって入れるのか? だけに目を向けていると、どうしても作る側の視点でものを見てしまう。
でも、食べてくださるお客様のことを考えて、『こうでなきゃ』という視点を語られると、みんなが『それは、そうしなきゃ』ってなるんです」
江崎グリコの創業者・江崎利一氏が口にしていた、「面倒なことをやらんば、商売は成功せんよ」というDNAは、確実に受け継がれているようだ。