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弁護士が解説! 稲垣、草彅、香取がネットテレビで示した「芸能界の新しい地図」

芸能界とテレビメディアを縛る「忖度」について芸能の世界にくわしい佐藤大和弁護士が斬る。

エンタメ

(©AbemaTV)

日本エンターテイナーライツ協会の共同代表理事を務めている弁護士の佐藤大和です。

先日、配信された稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんが生出演したAbemaTVのインターネット番組『72時間ホンネテレビ』は、3日間の総視聴数が7200万を超えるという快挙を成し遂げました。

これは3人の人気がまだまだ健在どころか、彼らを求めている視聴者がたくさんいるということを示しています。しかしながら、テレビでは、そんな3人の活躍をあまり取り扱っていません。

また、これだけ人気があるにもかかわらず、3人をテレビCMで使おうとする話も今のところあまり聞きません。

 

■忖度が多いメディア(テレビ業界)と芸能界

もちろん「この背景には不当な圧力があるのでは?」と思う方もいると思いますが、これはおそらくメディア側の「忖度」もあるかと思っています。

思えば、忖度という言葉は、今年一気に有名になりましたが、メディア(テレビ業界)や芸能界の忖度は、今に始まったことではありません。

事務所移籍など事務所と対立したタレントの多くは、メディア出演が激減していることからもわかるかと思います。この忖度などがあることで、タレントは思い切った事務所移籍ができなくなります。

 

■タレントの自由は制限されている

タレントたちの自由が強く制限されています。そのなかで、事務所移籍や独立を強行した場合、事務所同士の話し合いで綺麗に移籍ができたケースや、前の事務所より強い事務所に移籍した場合はともかく、その多くは厳しい立場になってしまう。

現在も有名タレントさんの独立トラブルが大きく話題になっていますが、おそらくメディアの出演やCMは激減するでしょう。

 

■新しいインターネットメディアの可能性

佐藤大和弁護士

もっとも、今回の稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんが生出演した『ホンネテレビ』では、多くの有力な芸能事務所のタレントさんたちが出演しています。

今まであれば、なかなか共演すら難しかったにもかかわらず、3人を慕っていたり、縁があったりするタレントらが出演しました。これは、少し前の芸能界では少し考えにくいことだと思っています。

それが今回、インターネットメディアとはいえ、共演しました。これは大きな変化のひとつだといえます。また、今回3人は、新しいネットメディアの可能性も一気に広げました。

 

■忖度しないネットメディア

可能性とは、今までのメディアとは異なり、新しいインターネットメディアでは、今のところ忖度があまり見られず、独立・移籍したタレントたちでも活躍できる環境があることを示したことです。

この新しいインターネットメディアの登場により、独立や移籍トラブルに遭ったタレントたちの次の活躍の場所が確保され、また今後、インターネットの進化次第では、テレビ以上の力を持つ可能性すら大いにあります。

実際に、今の子どもたちの夢は、YouTuberになることであり、次世代の子どもたちの興味も新しいインターネットメディアに向けられています。

 

■忖度はマイナスにしかならない

こうなってくると視聴者やファンたちは、忖度があるテレビより、新しいインターネットメディアに目を向ける可能性が出てきます。このような状態になれば、ますますテレビは衰退していくでしょう。

しかしながら、そうならないためには、メディア(テレビ業界)や芸能界は、忖度や不当な圧力をやめ、事務所側の利益にもちゃんと配慮をしつつも、もっと芸能界を活発化するべきだと思っています。

今のテレビはつまらないと揶揄されることもありますが、その原因のひとつは忖度でしょう。それは、今回の『ホンネテレビ』の結果からも明らかです。忖度を止めたときから、今の芸能界は変わると思っています。

忖度を止めて、メディア側も芸能事務所側もタレント側も、それぞれの利益にもちゃんと配慮しつつ、対話と調和を大事にし、活発化を目指していくべきです。活発化は良い刺激を生み、今の芸能界をさらに盛り上げるはず。

これは日本の芸能界の底上げになり、海外にも対抗できる日本が誇れる芸能界を作り上げることにも繋がります。

 

■シンポジウムのお知らせ

さて、最後になりますが、12月13日(水)に、日本エンターテイナーライツ協会(ERA)設立記念シンポジウム「芸能界に交錯する光と闇」を開催いたします。公演は、業界向け第1部公演と般向け第2部公演の2回となります。

詳しくは、芸能界に興味ある方、今後の芸能界がどう変わるか気になる方、芸能界の変革を求めている方、是非ともお越しください。

事務所側、タレント側、ファンの視点、それぞれの視点から盛り上げたいと思っております。個人的には「タレントの教育論」にも踏み込みたいと思っています。

一人ひとりの力が芸能界を変えていきます。皆さんのお越しをお待ちしております。

・合わせて読みたい→ギャラ未払い報道の西山茉希 「事務所との契約問題」について弁護士が解説

(文/レイ法律事務所佐藤大和弁護士)

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