銀河は「河」、天の川は「川」 河と川ではどんな違いがあるの?
空に浮かぶものも「河」と「川」で書き分ける謎を調べてみた、黒田勇樹のコラム
デスクワークのバイト中に、候補が多い変換をして、横に出てくる注釈を眺めるのが大好きな俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
なんのことだかわからない人はWindows標準の日本語変換Microsoft IMEを使って「おば」とか「はし」とか変換してみましょう。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■「川」と「河」の違いが気になる
以前紹介した「卵」と「玉子」、「皮」と「革」と来れば、外せないのは、「川」と「河」の違いですね。「語彙力の多い男性はモテる」とされているのは、言葉こそ人間にとっての角や牙だからではないでしょうか?
「川」と「河」を使い分けられるようになって、ひと「皮」むけた男を目指しましょう。
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■国内の川にこだわり?
Microsoft IMEにカーソルを持って行ってみると「川」は「一般的なかわ」、「河」は「大きな川、外国の川」と、出てきます。
もう少し詳しく辞書などで調べてみると、「河」は、「中国では黄河のみを指す」そうです。
日本国内の使用例を見てみても、国内を流れているものは「利根川」「四万十川」など、大きなものにも「川」の字が使われています。
大きさや広さが必要な、用途や自然現象を表すのには「運河」「銀河」と「河」を使っていますが、「天の川」には「川」が使われる辺り、日本人の「国内の川」に対する強いこだわりが伺えます。
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■河童は「河」
そうなると、気になってくるのが…そう、「河童」!
日本国内でもドがつくほどメジャーな妖怪なのに、彼らは「外国の河」の字が当てられています。西遊記にも出てくることですし、中国伝来の妖怪なのかと思いきや、西遊記の沙悟浄が河童になったのは日本に伝来してから。
中国の伝説の「河伯」という、こちらも仙人か妖怪か神様のような存在が伝来した説もあれば、カワウソが長生きすると河童になる国内の伝説が元との説もあり、死体やミイラも世界各地に転がっています。
どれが本当の由来なのか、調べることを諦めた筆者は思いました。まるで川のように枝分かれした様々な伝説も、いつか流れて一つの大きな河となります。
そんな思いが「河童」の「河」には込められているのではないかと…
(文/ハイパーメディアフリーター・Sirabee編集部)