上質な酒を身近に、飲み手との距離を近く 「白鳥蔵」見学が阿賀野観光で人気の『越後桜』
阿賀野で、白鳥が飛来することで知られる観光地「瓢湖」に近く、地元の米と水にこだわる。
越後桜酒造を代表する酒といえば、『大吟醸 越後桜』である。
「大吟醸を日常酒として気軽に飲んでほしい」との想いが込められたこの酒は、約15年前の発売以来人気を呼び、今では蔵で出荷量一番の酒になった。
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■大吟醸を日常酒に
一般的には高級酒とされる大吟醸にもかかわらずリーズナブルな価格で購入できる点が、飲み手の心を掴み続ける理由のひとつとなっているようだ。
2009年に全面改装した「白鳥蔵」には大吟醸を効率よく醸造することができる設備が整っており、ほぼ年間を通して生産。フレッシュローテーションが可能となり、品質の良さと手に取りやすい価格との両立が実現したことも大きな要因といえる。
華やかな吟醸香がありながら料理の引き立て役に徹した上品な酒質もまた、飲み手を惹きつけて離さない。日々の食とともに楽しめる「テーブル大吟醸」こそ、蔵元が求めてきた理想の酒だ。
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■造り手の「和」で良酒を醸す
白鳥の飛来地として有名な瓢湖(ひょうこ)にちなんで名付けられた「白鳥蔵」には、多くの観光客が見学に押し寄せる。
社長の長(おさ)昌幸さんは「大吟醸に代表される高品質な酒を手ごろな価格で提供できる理由をお客様に知っていただく上で、蔵見学はとても有意義」だと語った。
ここでは、20~50代の蔵人たちが日々『越後桜』を醸している。杜氏にあたるプロフィットマネージャーの大竹豪さんが「年齢や経験の別なく、チームワークは良好」と話すとおり、見通しのよい蔵内では蔵人同士が頻繁に声を掛け合う様子が見て取れる。
運がよければ、酒蔵見学で、そんな蔵人たちによる“和醸良酒”のワンシーンに立ち会えるかもしれない。酒造りの背景に触れて飲む一杯は、さぞ旨いことだろう。