地酒の名に恥じぬ個性ある酒を チャレンジ精神が多様なブランドを生む塩川酒造

新潟大学のある街で、挑戦的な酒づくりが続く。

2018/01/26 22:00



■日本酒本来が持つ特徴を最大限に引き出す

「私、生まれ育ったのが千葉なんです。ところが、父の兄が蔵を継がないということになって、急遽父が呼び戻されました。私が小学校を卒業した時でした。


新潟は大好きでしたから、嬉しかったですねぇ。学校では『なまってる』とか言ってからかわれましたけど(笑)。その時から、自分もここを継ぐんだな、と思っていました」


そう語る塩川さんに、「会社の運営で大切にしていることは?」と尋ねると、「挑戦する心」との答え。これまでの話でもその姿勢は十分に伝わってきたが、塩川さんのチャレンジは他にもあった。


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■古代米を使った酒に挑戦

塩川酒造

古代米を使った赤い酒『SHISUI』の開発である。

「日本酒でワインのような香りや味わいを出せても、ワインに勝てないもの。それは健康にいいとされるポリフェノールでした」


そんな折に出合ったのが新潟県産の古代米。表皮部分に多く含まれるポリフェノールに着目し、その成分を生かすため磨かずに使用。日本酒本来の深い味わいをもちながら、ワインに負けない健康志向の酒が完成した。

蔵で使う米は新潟県産米が主軸、仕込み水は信濃川の伏流水。砂丘地帯で砂濾過された地下水が地域特性のある酒質に役立っている。

塩川さんの力強い言葉を聞いていると、日本酒の可能性を信じ、塩川酒造の挑戦はこれからも続くのだろうと思えた。

蔵元お勧めの酒は次の通り。


①『願人 山廃純米吟醸原酒』

越乃関

「越淡麗」を使った生酛系清酒。酸度1.9、アルコール度数18%。独特の酸味と深い味わいをもつ。ラベルは新潟大学との連携によるもの。

常温かぬる燗がお勧め。 独特の酸味と深い味わいは、さまざまな微生物が織り成すハーモニーであり結晶だ。


②『COWBOY YAMAHAI』

越乃関

肉料理に合う日本酒として開発された山廃純米吟醸原酒。華やかな香りがありながら、ドライでキリッとした濃醇辛口。

山廃仕込み由来のしっかりした酸味と、やや高めのアルコール分が肉の脂分を洗い流し、スッキリした旨みがステーキのコクとほどよいバランス。


③『SHISUI』

塩川酒造

新潟県産古代米の紫黒米が原料。表皮部分に含まれるポリフェノールを有効活用するため、玄米のまま使っている。

鮮やかな色みは赤ワインのようだが、軽さの中にも日本酒本来の深みをもつ。健康志向の女性に好評。アルコール度数14.5%。 

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(取材・文/Sirabee編集部

日本酒蔵元酒蔵新潟県
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