紅白初出場の美人演歌歌手・丘みどり 夢を叶えて起きた「心境の変化」とは
アイドルとしてデビューし、夢だった演歌の道に入って13年目。
■母の死を乗り越えて
彼女が演歌歌手としてデビューした1年後、母が病のため亡くなっている。当時は、丘も看病のために休業した。
丘:母が亡くなったとき、「こんなに辛いことが世の中にあるのかな」と思いました。でも、「そういう経験をしているからこそ、人の痛みがわかる演歌が歌えるんじゃない?」と、先生が言ってくださって。経験をプラスに、歌に活かしたいと考えてきました。
東京に出てきたのは2016年の1月、大阪で10年活動した30歳のときだったので、大きなチャレンジをするべきか迷ったんです。
でも、母と「いつか紅白に出られる歌手になるまで見といてね」と約束をしたので、隣にはいないですけれどずっと天国で見守ってくれている中で、ここで諦めてしまうのはよくないな、と思って。
亡くなる前の母はよく、「やらずに後悔よりは、やって後悔の人生を」と言っていました。その言葉を胸に挑戦することにしました。
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■紅白前に徳光からのアドバイス
紅白の当日、会場となるNHKホールには父と祖母も訪れていた。子供の頃、祖母に連れて行かれた鳥羽一郎のコンサートが、彼女を演歌の世界に導くきっかけだった。
丘:紅白は、本当に念願でした。その2分数秒にかける思いは13年ぶん貯まっていたので、全部出しきろうと。
楽屋では何度も泣きそうになったのですが、徳光和夫さんに本番の2、3日前にお会いしたとき、「気持ちはわかるけど、歌っている最中には絶対に泣いちゃダメだよ」とアドバイスをいただいて。なんとか涙をこらえて歌うのに必死でした。
祖母は、他の歌手の方のときは楽しんで見ることができたそうですが、私のときは緊張しすぎて覚えていないそうです。「家に帰って録画を見て初めて、ちゃんと歌ってたんやねと思ったくらい、見てるほうも緊張した」と話していました。